CS進出を1勝で逃したDeNA、どん底で響いた主将筒香の言葉「情熱を持って…」

DeNAの今季を追ったドキュメンタリー「FOR REAL」が12月14日に全国劇場公開【写真提供:横浜DeNAベイスターズ】
DeNAの今季を追ったドキュメンタリー「FOR REAL」が12月14日に全国劇場公開【写真提供:横浜DeNAベイスターズ】

球団公式ドキュメンタリー「FOR REAL」、14日から全国13劇場で公開

 DeNAの2018年シリーズに密着したドキュメンタリー作品『FOR REAL-遠い、クライマックス。-』が12月14日(金)から全国13か所で劇場公開される。「横浜DeNAベイスターズ」として新たな一歩を踏み出した2012年から、チームに1年間密着したドキュメンタリー映像を制作。『ダグアウトの向こう』と題して始まったシリーズは2014年に完結を迎え、アレックス・ラミレス監督が就任した2016年から『FOR REAL』と題した新シリーズが始まった。今回お届けするシリーズ第3弾は、わずか1勝の差でクライマックスシリーズ(CS)進出を逃したチームの苦悩と葛藤が描かれている。

 19年ぶりに日本シリーズ進出を果たした昨季の悔しさを原動力に、20年ぶりの日本シリーズ制覇を目標に掲げてスタートした2018年。キャンプイン前日のミーティングでラミレス監督が選手に求めたのは、「win a spot, keep the spot(レギュラーを掴め、そして守り抜け)」の精神だった。自分の力でチャンスと勝利を掴むべく、意気揚々とキャンプインしたチームだったが、キャンプ地・沖縄から徐々に歯車が狂い始める。チームの強みだった先発投手陣の不調、ロペス、梶谷隆幸、筒香嘉智ら主力選手の怪我による離脱……。若手の奮起で何とかAクラス入りを争ったが波に乗れず。ついには、最下位に転落してしまう。

 作品には、結果が残せずに自分の投球スタイルに苦悩する開幕投手の石田健大や3年目左腕の今永昇太をはじめ、度重なる足の怪我に苛立ちを隠せないロペス、トレーナーの静止を聞かずに故障を抱えたまま強行出場しようとする宮崎敏郎など、普段はファンが知り得ない試合の裏側や選手の素顔、チームの生の雰囲気や声が詰まっている。

 投打がかみ合わず最下位に転落した時、下を向き諦めかけたチームを引き上げたのが、主砲であり主将を務める筒香の言葉だった。「こういう時こそ情熱を持って野球をしよう」と呼びかけるキャプテンの姿、そしてそれを真摯に受け止めるチームの姿はファンならずとも見逃せない。

 選手や監督、コーチたちは何に苦悩し、何に怒り、何をモチベーションとし戦っていたのか。自らカメラを持ち、400時間超の映像を撮り続けたのは、今回シリーズでは初めて監督を務める辻本和夫氏。チームが苦しむ姿に、自らも心が苦しいこともあったというが、「これを記録して伝えることが、この人たちのためになると覚悟を決めて撮影しました」と振り返る。

 一見すると華やかに見えるプロ野球という世界だが、日々勝利を目指す中で選手が見せる人間としてのありのままの姿に、共感を覚え、勇気を感じる人も多いかもしれない。「シリーズ史上、最も重苦しく最も息苦しい」とされる本作品は、DeNAファンや野球ファンにとどまらず、幅広い層の心に響くものとなりそうだ。

『FOR REAL-遠い、クライマックス。-』
【公開日】12月14日(金)
【上映劇場】横浜ブルク13、TOHOシネマズ、ららぽーと横浜、チネチッタ(川崎)、イオンシネマ港北ニュータウン、横須賀HUMAXシネマズ、シネプレックス平塚など、北海道から福岡まで全国13劇場で公開
※詳しくは球団公式サイトまで

(Full-Count編集部)

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