一塁でセ連続守備機会無失策の大記録を達成 DeNAロペスの凄さとは…
あまり目立たないが、とんでもない大記録「連続守備機会無失策」
守備がフィーチャーされることは多くないが、開幕早々、驚くべき記録が達成された。主役はホセ・ロペス。スペイン語で少年を意味する「チャモ」と呼ばれるDeNA打線の中核。打つだけでなく、名一塁手でもある。
1226。一塁手の連続守備機会無失策、セ・リーグ記録を更新した。4月5日、横浜スタジアムでの巨人戦の6回、ショートゴロの送球を捕球し達成された。2018年シーズンは946回の守備機会を無失策で終え、シーズン守備率10割を達成している。これは一塁手として初の大記録だ。
打点王獲得など、打撃での貢献が取り上げられることが多い。しかし、打撃だけでなくロペスの守備は注目に値する、お金を払っても見たい代物である。
マリナーズ時代には主に二塁を守り、09年WBCではベネズエラ代表を経験。その後はポジションを三塁や一塁に移した。巨人に入団した13年には、一塁守備で3度のライトゴロを達成。長野久義(現広島)とのコンビではあるが、状況判断の良さと豊富な経験値が生み出した好プレーであり、NPBで4度のゴールデングラブ賞受賞はすばらしいの一言だ。
「本当に守備はうまい。うちのチームでもトップクラス」
毎試合前、ロペスにノックを打っているDeNA内野守備走塁コーチの永池恭男は語ってくれた。
「グラブさばき、ハンドリングは突出している。手首が柔らかくて強い。バックハンドでの捕球などは真似できないし、スナップスローもすごい。あのあたりはやはり中南米人独特。身体の柔らかさに加えて育った環境もあるんじゃないかな。子供の頃はきっと整ったフィールドでやってなかったと思うから、イレギュラーにも対応できるのかな」
ロペスはマリナーズ時代に「手首だけでなく、身体全体を柔らかく使えたら良い、と思っている。だからリラックスすることが大事だね」と語ってくれたことがある。
「その部分はまったく変化はない。やはり年齢も重ねてきて体全体の柔軟性は落ちる。そこはケアをしっかりしないといけない。パフォーマンスに直結するだけでなく、故障にもつながってくる」
「実際のフィールディングに関しては、これまでで身についた感覚的な部分もある。それを忘れないように確認しながら、ノックを受けている。まぁ、あまりノックの本数は多くないけどね」
永池コーチは全盛期と変わらない守備を絶賛する。
「一塁を守っているけど、二塁や遊撃も全然できる。多少、ウエートが重くなって動きにくくなっているとは思う。でもそれを補うだけのたくさんのものがある」
「打球へのスタートが良い。1歩目の判断が良いのもあるけど、準備をしっかりしている。打者の傾向を考えたり、フィールド状態を頭に入れたりね。経験を活かして考えながらプレーしている。練習もしっかりやるしね。若手なんて本当に良いお手本になっている」