【中村紀洋の目】離脱中の中日ドラ1根尾へ 2軍で92打席30三振も「今のスタイルのままでいい」
根尾は頭が良い選手「課題を一つ一つ克服している時期」
今回は中日のドラフト1位・根尾昂内野手についてお話しさせていただきます。
根尾選手は16日のファームの試合中に左手人差し指を負傷し、現在は実戦から離れています。プロ1年目の今年はファームで22試合に出場して打率.143、1本塁打、4打点。データを見ると92打席で30三振していますが、全く気にする必要はないと思います。
小笠原道大2軍監督やコーチの方々の指導方針もあるでしょう。小笠原2軍監督も現役時代はフルスイングが代名詞でしたが、球を当てにいくと本来のスイングができなくなります。空振りするリスクはありますが、フルスイングした中で対応力が身につくのではないでしょうか。
高校生はプロ入りすると金属バットから木製バットに変わり、投手のレベルも全く違います。私も高卒でプロに入団しましたが、球速表示以上に感じる直球の速さ、キレ、変化球の曲がり、制球力に驚かされましたし、打席に立ち続けなければ対応力は身に付きません。結果云々ではなく、いかに自分のタイミングでフルスイングができるか。根尾選手はまだ発展途上ではありますが、頭が良い選手なので実戦を重ねて守備、打撃で出た課題を一つ一つ克服している時期だと思います。
実際に生でプレーしている姿を見ていないので詳しくはわかりませんが、3月23日の巨人戦(ジャイアンツ球場)で左翼席にアーチを放った打席は映像で見ました。きっちり振っているからこそ、打球が逆方向に飛んでいますし、スイングも非常にきれいでした。今のプレースタイルを変えずに頑張ってほしいですね。(元近鉄、ドジャース、オリックス、中日、楽天、DeNA内野手)
文/構成 インプレッション・平尾類