広島鈴木、劇的サヨナラ弾含む4安打5打点! リーグ3冠も「正直どうでもいい」

広島・鈴木誠也【写真:荒川祐史】
広島・鈴木誠也【写真:荒川祐史】

延長10回1死一塁からバックスクリーン左へ劇的なサヨナラ2ラン

■広島 9-7 ヤクルト(15日・マツダスタジアム)

 広島の鈴木誠也が劇的サヨナラ弾を含む4安打5打点の活躍でチームを4連勝に導いた。7-7の同点で迎えた延長10回、1死一塁の場面で打席に入った鈴木は、ヤクルト8番手の中尾の6球目のフォークをバックスクリーン左に運んだ。

 劇的な一発を放った鈴木は「(中尾は)フォークの落ちが良かったし、なんとか後ろに、という意識で打席に入った。フルカウントだったので、長打よりもつなごうという気持ちだったが、たまたま甘いところに入ってきた球を一発で仕留められた。手応えは良かった」と殊勲の一発を振り返った。

 7回で2-7と敗色濃厚の展開だったが「それほど点差が開いている感じはしていなかった」という鈴木。5回の第3打席に三塁線を破るタイムリー二塁打を放つと、8回にはバックスクリーンにライナーで飛び込むソロ本塁打、9回には反撃の口火を切るタイムリーを放ち、最後は劇的サヨナラ弾で4打席連続打点を締めくくった。

 試合後、鈴木は「みんな最後まで集中力を持って、諦めずにいった結果」と殊勝に話したが、劣勢の展開でも自らのバットでチームを鼓舞し続けた、まさに「4番の仕事」にふさわしい活躍だった。

 チームを4連勝、2位タイに導いた猛打で、打率(.347)、本塁打(13本)、打点(32)でリーグ3冠王に浮上。それでも「そのうち落ちるだろうし、正直どうでもいい」と全く意に介さず、「とにかくチームが勝つことが一番」と、フォアザチームの精神を貫く。

 シーズン前から「4番を打たせてもらっている以上、自分の打撃がチームの勝敗に関わると思って、ずっと自分にプレッシャーをかけてやっている」という鈴木。前日に視察に訪れた侍ジャパンの稲葉監督から高評価を受けた24歳の若き4番は、その重圧に負けることなく、着実に「誰もが認める不動の4番打者」への道を進みつつある。

(大久保泰伸 / Yasunobu Okubo)

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