【林昌範の目】大型連敗からの浮上を狙う楽天と広島 逆襲へのキーマンは?

広島・緒方監督(左)、楽天・平石監督【写真:荒川祐史】
広島・緒方監督(左)、楽天・平石監督【写真:荒川祐史】

楽天はエース則本昂で連敗脱出、トンネルから抜け出せない広島は…

 林昌範です。今回は大型連敗からの浮上を狙う楽天と広島についてお話しさせていただきます。楽天がようやく長いトンネルから脱出しました。9日のオリックス戦(楽天生命パーク)で3月の右肘クリーニング手術から復帰した則本昂大投手が6回3安打無失点の快投。今季初登板に完璧な結果で応え、チームの連敗を「10」で止めました。

 僕も現役時代に経験しましたが、連敗が続くと、選手たちは「自分がどうにかしなければ」と精神的な焦りが生じて無駄な力が入ります。投手は気負いすぎて自分の持ち味を出せず、打者は捉えたと思った打球をミスショットするなど悪循環が重なります。良い当たりの打球も野手の正面をついたり、相手の好守に阻まれるなどうまくいかない時は不運も重なります。

 このようなどん底の状況で首脳陣が待ち望むのが救世主の存在です。楽天は10連敗で止めた試合後、ベンチでハイタッチを交わす選手たちが笑顔と活気を取り戻していたのが印象的でした。エースの復活劇でつかんだ白星は1勝以上の価値があると思います。パ・リーグはソフトバンクが独走態勢に入っていますが、まだ試合数も多く残っています。逆襲には則本昂投手の今後の活躍が不可欠なので注目したいですね。

 一方、セ・リーグは昨年までリーグ3連覇の広島が苦しんでいます。8年ぶりの10連敗を喫し、首位を独走する巨人に大きく離されました。今年の広島は浮き沈みが非常に激しいです。開幕ダッシュに失敗して借金8まで膨らんだ後に、5月に球団新記録の月間20勝で一気に首位浮上。貯金14まで増やしましたが、交流戦で最下位と再び失速しました。リーグ戦再開後も白星から遠ざかっています。

 投打がかみ合わず苦しい状況が続いていますが、地力がある球団なので再び大型連勝で息を吹き返す可能性は十分にあります。個人的にはエース・大瀬良大地投手、4番の鈴木誠也選手の活躍が再浮上のカギを握ると思います。(元巨人、日本ハム、DeNA投手)

文/構成 インプレッション・平尾類

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