1番不在、中村の不振…“山賊”の姿が見えず 西武辻監督「あと1本が出なかった」

「7番・三塁」で先発した西武・中村剛也【写真:宮脇広久】
「7番・三塁」で先発した西武・中村剛也【写真:宮脇広久】

山川には17号ソロも…借金7で5位と低迷

■日本ハム 4-3 西武(25日・メットライフ)

 西武は25日、本拠地メットライフドームで行われた日本ハム戦に3-4で競り負け、今季2度目の4連敗を喫した。チーム防御率がリーグワーストなのは、連覇を達成した一昨年、昨年も同じ。借金7でまさかの5位に落ち込んでいる要因は、チャンスメーカーの秋山(現レッズ)が抜けた“山賊打線”に、これまでのような破壊力が見られないことだ。

 3点を追う5回、それまで抑え込まれていた日本ハム先発の上沢に対し、2死満塁のチャンスをつくり、4番・山川が押し出しの死球を受けて1点。さらに上沢の暴投で2点目が転がり込み、1点差に迫った。

 しかし、流れに乗り切れない。6回3失点の先発投手・高橋光の後を受けて、2-3の1点ビハインドで7回に登板した“中継ぎエース”の平井は、1死から四球を与えた松本に森の捕逸で二塁進塁を許し、西川の右前適時打で手痛い追加点を許した。

 8回の攻撃では、先頭の山川の17号ソロで1点差に詰め寄ったが、なおも続いた1死二塁の同点機では、通算1500安打にあと1本とリーチをかけていた中村が、スライダーをとらえ切れず遊飛に倒れた。栗山と並んでチーム野手最年長の37歳の中村はこの日、4打数無安打。8月に入ってから50打数5安打、月間打率1割ジャストの不振だ。熱中症の症状で欠場したこともあった。6月末時点で.290をマークしていた今季打率は、.213まで降下している。

 また、巧打者の2番・源田も3回2死一、二塁で遊直。5回1死二、三塁で3球三振に倒れるなど5打数無安打で、今季打率.236の不振にあえいでいる。大砲メヒアが咽頭炎で3試合連続の欠場となったのも痛かった。

 昨季まで秋山の定位置だった1番の後釜が定まらないことも、打線に勢いが出ない一因だろう。この日は4年目・22歳の鈴木が6試合ぶりにリードオフマンを務めたが、空振り三振、四球、送りバントで、7回には代打・木村を送られた。鈴木の今季打率は.217と低迷している。

 辻発彦監督は1回に1点、2回に2点を失った高橋光について「クオリティースタート(先発して6回以上を投て自責点3以内)とかの問題ではない。カードの頭を任せたピッチャーが1、2回に簡単に2、3点取られると厳しい」と苦言。7安打7四死球でチャンスをつくりながら3得点に終わった打線については「粘れてはいるが、あと1本が出なかった」と嘆いた。55試合を消化してシーズンは半ばに差し掛かっている。このままでは3連覇は遠のくばかりだ。

(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)

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