最短25日にもリーグ優勝 鷹・工藤監督が語る12連勝の要因は?

ソフトバンク・工藤公康監督【写真:藤浦一都】
ソフトバンク・工藤公康監督【写真:藤浦一都】

「集中力が日々高まっている。それが繋がりに表れ、得点に表れ、結果に表れている」

■ソフトバンク 8-1 西武(23日・PayPayドーム)

 ソフトバンクは23日、本拠地PayPayドームで西武と対戦し8-1で快勝し、2005年以来となる12連勝を飾った。同点で迎えた6回に甲斐のセーフティスクイズなどで4点を勝ち越し。8回には柳田の28号2ランでトドメを刺した。2位のロッテが敗れたため、マジックは4となり、最短で25日にも3年ぶりのリーグ優勝が決まる。

 破竹の12連勝。ここにきて、ソフトバンクの強さが際立つ。ちょうど2週間前の10月9日には、ロッテとの直接対決に敗れてゲーム差なしに並ばれていた。その翌日からソフトバンクは負けなしの連勝街道に。かたやロッテは5連敗で2勝9敗。わずか2週間で一気に9.5ゲーム差に拡大した。

 勝負の終盤戦に入り、投打の歯車が噛み合ってきた。ここまでは、投手陣が苦しむ時期も、貧打に喘ぐ時期もあった。そんな苦しい中でもしぶとく白星を積み重ねて終盤を迎えると、そこは3年連続日本一に輝いてきた常勝軍団、勝負所を見極めていたかのように投打が揃って調子を上げてきた。

 10月に入り、22日時点でチーム打率は.279をマークし、チーム防御率は驚異の1.91をマークする。16勝のうち、15勝で先発投手に白星がついている。先発が少ない失点で試合を作り、状態を上げてきた打線がきっちりと援護する。ここにきて理想的な戦いぶりを展開している。

 ただ打つだけでなく、この日の試合でもグラシアルが浅い犠飛で先制のホームに生還し、松田宣が思惑通りの右打ちでチャンスを広げ、甲斐が決勝のセーフティスクイズを決めた。勝負所でもったいないミスを極力せず、チーム全体で次の塁を狙い、ソツのない戦いを見せる。プレッシャーのかかる優勝争いの佳境で、これができるからこそソフトバンクは強い。

 試合後、工藤公康監督はこう語る。「勝てば勝つほど、自分たちの目標に近づいているというのは選手も自覚していると思います。その中で1試合1試合、集中力が日々高まっている。それが繋がりに表れ、得点に表れ、結果に表れていると思います。チーム一丸となってできていることが結果に繋がっている」。リーグ優勝を目前にして、ソフトバンクのバイオリズムが頂上に達したと言えるだろう。

 この日28号2ランを放ち、4打点と活躍した柳田も「うまく投打が噛み合っていると思います。誰かが打つという感じです」と、そのチーム状態の良さを口にする。マジック4で3年ぶりのリーグ優勝は目前。もはや、今のソフトバンクは何人たりとも止められそうにない。

(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)

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