「参謀として適任だった」 元巨人分析のプロが絶賛した元木ヘッドの指揮系統
元巨人でチーフスコアラーを務めた三井康浩氏が解説
■巨人 3-3 ヤクルト(30日・東京ドーム)
巨人が2年連続47度目のリーグ優勝を決め、原辰徳監督が9度、宙に舞った。監督通算9度目のVは川上哲治監督の11度に次ぐ球団単独2位の記録。リーグ連覇できたのは監督の手腕が占めることが大きいが、巨人でチーフスコアラーを務めるなど第一次政権から原監督に仕えた三井康浩氏は“参謀”の存在が大きかったと分析。元木ヘッドコーチの指揮系統が「的確だったのではないでしょうか」と解説した。
3か月遅れの開幕で、これまでにない難しいシーズンだった。それでも原監督は選手を見極め、一戦一戦、勝ってきた。三井氏は「戦力を最大限に生かす起用法をされていた。2軍から上がってきた選手も本当によく使いました」と若手にもチャンスを与え、育てながら勝つ兵法で、頂点に立つ見事な采配だったと振り返る。
現有戦力の強化はもちろんのこと、巨人は他球団との移籍を積極的に行い、ウィークポイントとなりそうなところを埋めてきた。楽天から移籍してきたウィーラーや高梨が大活躍。彼ら2人がいなければゾッとするような展開でもあった。「現場の監督の意見が反映されているので、戦力補強のポイントがぶれない、的確な補強ができたのも大きかったですね」と現場とフロントが一体となった強化が実を結んだことも優勝の要因に挙げた。
もちろん、選手の頑張りも素晴らしかったが、三井氏は「元木ヘッドコーチのベンチでの動きは素晴らしかったのではないでしょうか」と指摘。ヘッドコーチは監督の“参謀”でもある。指揮官の要望、思いを聞き、その意向にそって選手を動かさないといけない。
「ベンチで監督の声をヘッドコーチが状況を確認して選手に伝える。指揮系統がうまくいっていたのではないでしょうか。試合中の対応が速かったように思えました。出てくる選手から迷いを感じなかったんです」
監督やチームの考えをわかっているから、控え選手の動きがスムーズだった。代打、代走、全てにおいて選手個々が役割がわかっている動きを見せていたのも大きかった。三井氏は元木コーチの現役時代もスコアラーとして寄り添っていたからこそ、そのコミュニケーション能力の高さは熟知している。「参謀として適任だったと思います」と絶賛した
三井氏は試合が終わった後に原監督には「おめでとうございます」とメッセージを送ったという。原監督の手腕、的確な補強、そして参謀の存在。この3つが“分析のプロ”にとって、優勝のポイントと見えたようだ。
(Full-Count編集部)