好調燕にベテラン離脱の“副産物” 「貫禄が出てきた」と飯田哲也氏絶賛する選手は
青木や内川の離脱時には「今年は終わってしまったかなと…」
ヤクルトが下馬評を覆す健闘を見せている。開幕前の順位予想ではほとんどが5位か6位の評価。さらに開幕直後に新型コロナウイルスの濃厚接触者に認定され、青木宣親外野手や内川聖一内野手ら主力が離脱した。そんな厳しい状況の中、8勝7敗3引き分けで3位につけている(4月17日現在)。現役時代にヤクルトで外野手として活躍し、7度のゴールデングラブ賞を受賞した野球評論家の飯田哲也氏も、古巣の健闘に安堵した様子だ。
「コロナで主力がごっそり抜けた時は、今年は終わってしまったかな、と正直思いました。抜けたメンバーがメンバーだったので、始まった早々、大変なことになったと。それでも若手が頑張って、なんとか五分五分ぐらいでやれているわけですから、本当によくやっていると思います」
好調の要因が、リーグトップクラスのチーム打率を誇る打線。その中でコロナ禍の意外な産物と言えるのが、捕手の中村悠平を2番で起用したことだという。打率3割台をキープし、出塁率も高く、上位打線のスパイス的な存在になっている。異例とも言われる捕手の2番起用だが、この選手起用こそが現在のヤクルトのチーム状況を表したものだと飯田氏は言う。
「正直に言えば、適任がいないということで、今は調子がいい中村を当てはめているということでしょう。今のヤクルトは村上の前にランナーを置かないと大量得点は見込めない。とにかく走者を置いた状態で村上を打席に立たせたいということで、いいバッターを前に持ってきているというわけです」
その上位では山崎晃太朗が好調で、1番に定着して打率3割台。外野手では塩見泰隆もクリーンアップの一角を任されて3割5分近い打率を残している。飯田氏もこの2人に対する期待は高いようだ。
「今年は山崎の状態がいい。塩見は好不調の波がありますが、しっかりレギュラーとしてやってもらわなければならない選手。塩見が1番で、2番に山崎を入れることができるようになれば、もっと厚みのある打線になるはずです」