逆転Vへ原巨人が掲げた「ワッショイ」ベースボール 形になり始めた効果とは?
後半戦2連勝と好スタート、チームに浸透した意識
■巨人 6ー1 中日(14日・東京ドーム)
巨人は14日、丸佳浩外野手の1試合2本塁打の活躍などで中日に快勝した。東京ドームでの試合前のこと。円陣で声出しを担当した岡本和真内野手は“号令”をかけていた。「今日は初回からみんなでワッショイして、攻撃、守備やっていきましょう! ワッショーイ!」。その言葉に背中を押されたかのように、初回に丸が先制の11号3ランを放ち、終始、試合を有利に進めた。言葉の力は、本当に強い。
「ワッショイ」の定義は巨人・原辰徳監督が球団公式YouTubeでも明かしているように、チームが一丸となり、重い神輿(みこし)をかついでいこうということ。みんなで力を合わせれば、重いものだって、軽く感じる。足並みが揃わなかったら前には進めない。後半戦が始まる前にそのように伝えていた。
「力をひとつに」「結束」という言葉ではなく、親しみやすいフレーズはどんどん浸透していく。後半戦初戦に勝利したナインは整列後、球団カメラに向かって、笑顔を見せている。主将の坂本が神輿を担ぐようにスキップしながら「ワッショイ」と呼応している。そして、円陣でも「ワッショイ」。試合後のコメントにも「ワッショイ」が随所に散りばめられていた。ファンも一緒になって盛り上がれるところもいい。
14日の中日戦、初回の3ランに続き、6回先頭の第3打席でも右翼席へ12号ソロ。2本塁打を放った丸は「非常に勢いに乗って来ていますし、チームのみんながひとつになっている。足並み揃えて行けている気がします」と効果を感じ取っていた。後半戦開幕から追いかける立場とはいえ、首位争いをしているが、どこか良い緊張感を持ちながら、選手は楽しんでいるようにも見える。
号令をかけた岡本和も8回先頭でリーグトップの28号ソロを放った。後半戦が始まってまだ2試合だが、勢いという2文字で片づけられない雰囲気がある。ゲーム展開も、先発が粘り、救援陣がつなぎ、打線も援護する。守護神のビエイラが安定しているのも大きい。追う立場、追いかける立場では違う。ここ2年と違い、首位ではない景色からリスタートすることになった原巨人。ワッショイの効果で逆転Vへ向けて、一気に加速していきそうだ。