巨人を退団した陽岱鋼、新天地はどこに? 台湾プロ野球でのプレーには“壁”が存在
田澤と類似? 母国でプロ入りするにはドラフト指名が必要
昨季限りで巨人を退団した陽岱鋼外野手の去就が、未定のままとなっている。17日には35歳の誕生日を迎え、自身のインスタグラムには台湾での日常を綴っている。NPBで通算1164安打、ゴールデングラブ賞4度という実績を残してきたスター選手はどこへ向かうのか。生まれ育った台湾にもプロ野球はあるものの、そこでプレーするまでにはどうしても時間がかかるシステムとなっている。
台湾・台東出身の陽は福岡第一高へ野球留学し、そこから2005年の高校生ドラフト1巡目で日本ハムに入団した。台湾プロ野球(CPBL)を経ずに海外へ出たため、台湾プロ野球でプレーするにはドラフトを経る必要がある。日本でいえば、当時の新日本石油ENEOSからNPBドラフトを拒否してレッドソックスと契約した田澤純一投手(昨季は台湾・味全でプレー)に近い状況と言えるかもしれない。
さらに台湾のドラフト会議は近年、6月末から7月上旬にかけてのシーズン中に行われており、日本や米国球界から故郷のプロ野球を目指す台湾人選手にとっては、タイムラグが避けられない。台湾ではアマチュアチームから直接日本や米国球界に挑戦する選手が多く、同じような境遇に置かれた選手はこれまでにも多数存在する。
昨オフは陳冠宇(チェン・グァンユウ)投手がそうだった。2020年限りでロッテを退団。国立体育大から台湾プロ野球を経ずに2010年にDeNAへ入団、そのまま日本球界でプレーしていたため、台湾プロ入りするにはドラフト指名を受ける必要があった。
陳冠宇はまず社会人チームの「安永鮮物」でプレーし、6月にはプロの楽天モンキーズと練習生契約。7月12日のドラフトで1位指名を受け、支配下契約を結んだ。後半戦は1軍21試合に登板したものの、1勝5敗に終わっている。