163キロどよめきにも動じず 日本ハムの19歳内野手が“朗希撃ち”で掴んだ自信

ロッテとの練習試合に出場した日本ハム・細川凌平【写真:町田利衣】
ロッテとの練習試合に出場した日本ハム・細川凌平【写真:町田利衣】

日本ハム・細川は「3番・中堅」でロッテとの練習試合にフル出場

 球場がどよめきに包まれる中で、日本ハムの細川凌平内野手が快音を響かせた。19日に沖縄・名護で行われた練習試合。初回2死、ロッテ先発・佐々木朗希投手の直球を中前にはじき返した。

 佐々木朗は先頭打者への初球から161キロをマークするなどエンジン全開だった。「3番・中堅」で先発した細川の第1打席。カウント2-2からの5球目は163キロが外れた。公式戦ならNPB史上4位となる超剛速球に「速かったです。びっくりしました」と振り返った2年目の19歳だったが、打席では落ち着いていた。続く158キロにしっかりとコンタクトしてみせた。

 そこには確かな収穫があった。実感したのは下半身の使い方だ。調子が悪い時は「立ってるだけみたいな感じ」と言うが、この日は「しっかり地面を掴んで決まっている感じがあった。その感覚が練習から出ていた」。下半身が安定したことで振り負けず、好結果につながった。まだ2月の中旬ながら、これだけの速球を実戦で体感できたことに「大きいと思います。凄くいい試合になった」とうなずいた。

 新人ながら9試合に出場した昨季、10月23日の初対戦時にも佐々木朗から安打をマークしている。智弁和歌山高時代から、1学年上の右腕を「高校生でこんな可能性があるんだというのを感じていた。それだけビッグな選手がいる中で負けたくないというのもあります」とひそかに意識してきた。

“令和の怪物”に負けるつもりはないからこそ、細川が自身に求めるレベルも高い。1打席目の安打にも「ファーストストライクからしっかり振れる準備をしないと」と納得はせず、2打席目以降は凡退したことに「まだ明確な課題がある。そこは次の試合でクリアしていければ」と高みを見据えた。

 試合後には雨が降る中、ユニホームを泥だらけにしながら1時間以上の特守に励んだ。今キャンプでは新庄剛志監督の方針で中堅を守る機会もあり「内野でレギュラーを取りたいというのはずっと言ってますけど、センターとか外野でチャンスがあるなら食い込んでいけるように。まずは試合に出ることが大事」。俊足好打の背番号56が、チームに新しい風を吹かせる。

(町田利衣 / Rie Machida)

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