源田の台頭で“居場所”失った遊撃手 「勉強したかった」裏方に転じて感じた凄み

今年から「ライオンズアカデミー」のコーチを務める鬼崎裕司さん【写真:球団提供】
今年から「ライオンズアカデミー」のコーチを務める鬼崎裕司さん【写真:球団提供】

鬼崎氏は2011年途中に燕から西武に移籍、「住めば都でした」

 ヤクルト、西武の2球団で計10年間プレーし、通算425試合に出場した鬼崎裕司さんは今年から「ライオンズアカデミー」のコーチを務める。現役時代は主に遊撃手を務め、2013年には西武で自己最多の105試合に出場した。球界屈指の守備力を誇る源田壮亮内野手が入団した2017年オフに戦力外通告を受け引退する形になったが「一緒にプレーしたかった」と語る。

 鬼崎さんは佐賀工、関東学院大、富士重工(現SUBARU)を経て2007年大学生・社会人ドラフト3巡目でヤクルトに入団。2011年シーズン途中に交換トレードで西武に加入した。 「ヤクルトから『いらないよ』と言われた気がしてしまって、寂しかったです。宮本(慎也)さん、青木(宣親)さんにはかわいがっていただき、一緒に二遊間を守っていた田中浩康さん(現DeNAコーチ)には色々な相談をしました」と当時を振り返る。

 寂しい思いを抱いて移った新天地だが、すぐになじむことができたという。「住めば都でした。みんな優しくてコミュニケーションを取ってくれた。すごくいい球団。良かったなと思いました」。“転機”は2017年シーズンだった。ルーキーの源田が全試合フルイニング出場を果たす一方、鬼崎さんは1軍出場機会がないまま終了。そのオフに戦力外通告を受け、引退を決断した。

「『同じ内野手で、社会人出身の右投げ左打ちを獲ったな』と思いました。でも、考えたところで『練習するなよ。サードやってくれよ』なんて言えるわけがない。自分はできることを精一杯やるしかありませんでした。裏方になってから、源田がフィールドで動いている姿を見て『やっぱり凄いな』と思いました。どういう考えを持ってやっているのか、プレーヤーの時に聞いてみたかった。気になることは年下でも聞いてみたい。勉強させてもらいたかったです」

引退後は若手育成に尽力「もっとタフになってほしい」

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