3位後退の西武を襲う“W守護神”の不安 痛恨被弾の増田に辻監督「失投でしたね」

西武・増田達至(左)と平良海馬【写真:荒川祐史】
西武・増田達至(左)と平良海馬【写真:荒川祐史】

近藤に平良が先制打を浴びると、増田は延長10回に決勝被弾

■日本ハム 2ー1 西武(10日・ベルーナドーム)

 優勝を争う西武は10日、本拠地ベルーナドームで最下位の日本ハムに延長10回の末に1-2で敗れた。8回に2番手で登板した平良海馬投手が、相手の近藤健介外野手に先制二塁打を許し、1-1の同点で迎えた10回には、増田達至投手が同じく近藤に決勝7号ソロを浴び、今季4敗目(2勝29セーブ)を喫した。オリックス、ソフトバンク、西武が1ゲーム差内にひしめく大混戦で、残りわずか14試合の西武にとって“ダブル守護神”の調子が気がかりだ。

 先発の松本航投手は7回2安打無失点の快投を演じたが、両チーム無得点の8回に登板した平良は、1死から2番の松本剛外野手を四球で歩かせ、続く3番・近藤には右中間を破られ先制点を奪われた。カウント1-0から外角いっばいのスライダーで空振りさせるも、3球目に続けたスライダーが真ん中に入ったところを捉えられ、辻発彦監督も「いいコースに投げた後に甘いところへ行ったら、なおさら打たれやすいよ」と指摘した。

 平良は右手中指痛で約1か月間、戦列を離れ、この日の登板が復帰後ようやく2試合目。果たしてどこまで本来の感覚が戻っているのか、一抹の不安が残る投球となった。9回に中村剛也内野手の左前適時打で同点に追いついたものの、10回に増田が決勝弾を浴びた。簡単に2死を取ったものの、近藤にカウント1-1から真ん中低めのカーブをすくい上げられた。辻監督は「既に2死を取っていて、四球で歩かせても全然構わないところでホームランだからね……いろいろ経験を積んできた増田にしては、失投でしたね」と悔やんだ。

 日本ハム打線がこの日放ったヒットはわずか4本で、2番の松本が1本、3番の近藤が3本。4番の石井一成内野手以下は音無しだっただけに、「近藤は歩かせても全然構わない」という見方になるのも当然といえた。

 リーグトップタイの29セーブを挙げている増田は今月6日、近親者が新型コロナウイルス陽性判定を受けたことから出場選手登録を抹消されたが、幸い本人の感染は確認されず、2日後に復帰した。だが、復帰戦となった8日のオリックス戦でも伏見、中川圭に1発を浴びており、これまで復帰後の2試合で許した計3安打は全てソロホームラン。試合の展開上、どれもが手痛い1発だった。

 辻監督は今後の平良と増田の起用法について「打順の巡り合わせとか、対戦成績も見ながら決める」と話し、流動的な“ダブル守護神”制を敷く意向を示している。この日は「打たれた打者が同じで、いずれも変化球でしょ。そこは考えないと」と反省を求めた。実績も実力も十分な2人。3年ぶりのリーグ制覇へ向け、チームの大きな期待に応えることができるか。

(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)

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