日本一の20分後に戦力外「マジか」 ロッテの“苦労人”茶谷健太、育成からの再起
1軍で遊撃の座を狙う茶谷、4年前にソフトバンクを戦力外に
苦汁の日々を送った男が、ブレークの兆しを見せている。ロッテの茶谷健太内野手は、7月に月間打率.389を記録。藤岡裕大内野手の離脱もあり、8月に入ってからは2年目の小川龍成内野手と遊撃のポジションを争っている。まだ24歳だが、すでに戦力外通告、育成契約も経験した苦労人だ。
山梨の帝京第三高から2015年ドラフト4位でソフトバンクに入団。投手として指名されたが、バッティングの潜在能力を買われてプロ入り後に内野手に転向。2017年に1軍デビューし、初打席で楽天の則本昂大からプロ初安打を放った。
2018年は2軍で87試合に出場し打率.246、3本塁打19打点の成績を残したが、1軍出場機会はなかった。チームは日本シリーズで広島を破って日本一に輝いたが、第6戦が終わってわずか20分後に、携帯が鳴った。「戦力外しかないなと」。この時期に球団事務所に呼び出される意味は分かっていた。
「正直、高卒3年目で怪我もしていなかったので、自分の中で『マジか』というのはありました」
悔しさはもちろんあったが、1番は驚きだった。毎年多くの選手をドラフト指名するソフトバンク。選手層は厚く、選手個々には結果がシビアに求められる。同期で、同じく高卒の黒瀬健太内野手、小澤怜史投手にも戦力外が通告されていた。2人は育成で再契約。茶谷にも育成契約が打診されたが、環境の変化を求めて断りを入れた。
「もう一回、仕切り直しじゃないですけど、やるからには環境を変えたいというのが一番でした。もう一度新たな気持ちで頑張りたいとということで断らせていただきました」