平良の先発認めた渡辺GM「意志の固さがあった」 重大な決定「簡単に決めた転向ではない」

西武・渡辺久信GM【写真:荒川祐史】
西武・渡辺久信GM【写真:荒川祐史】

代わりは「補強、現在いる選手の抜擢、育成を含めて考える」

 西武は4日、平良海馬投手と所沢市内の球団事務所で2度目の契約更改交渉に臨み、本人が強く求めていた中継ぎから先発への転向を認めた。金額は前回提示通り、7000万円増の年俸1億7000万円(金額は推定)でサイン。交渉に当たった渡辺久信GMは「彼の先発をやりたいという意志の固さがありました」と“脱帽”した。

「あれだけの絶対的な後ろ(リリーフ)の投手を先発に回すというのは、ここ数年(平良本人から希望を)聞いていたことではあったけれど、難しい決断だった。首脳陣(監督、コーチ)とも話し合い、チャレンジさせるという話になりました」と渡辺GM。

 確かに、先発投手としての可能性はともかく、今季もリーグ最多タイの61試合に登板し、1勝3敗34ホールド9セーブ、防御率1.56をマークした平良がリリーフ陣から抜けることは、チームにとって大きな不安である。森友哉捕手のオリックスへのFA移籍に伴う人的補償、現役ドラフトなどが補強のチャンスとなるが、渡辺GMは「補強、現在いる選手の抜擢、育成を含めて考えたい。(人的補償のリストは)まだ来ていない。平良の代わりになる人はなかなかいないだろうが、しっかりチェックします」と話した。

 ところで、仮に平良が来春の練習試合、オープン戦で先発して打ち込まれ、結果が出なかった場合はどうするのか? 中継ぎ復帰も視野に入れているのか? この日の交渉で、平良が「(先発として)チャンスは何回もらえるのですか?」と質問すると、渡辺GMは「他の先発投手と同じように、何回かはあげる」と答えたという。渡辺GMは報道陣の前で「それは現場(監督、コーチ)が決めることだが、1、2回失敗したからと言って戻すということは、私は『ない』と思う。そんなに簡単に決めた先発転向ではない」と言い切った。

 一方、平良がこの日の会見で将来的なメジャー移籍願望に言及したことについては、「それは、わかっていること」と淡々と受け止めていた。

(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)

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