好投報われぬ左腕…今季も“孤立無援”は続く? 連敗は11に、止まらぬ極度の援護不足
西武2年目・隅田は6回1失点で敗戦投手、昨季からの連敗は11になった
西武の2年目左腕、隅田知一郎投手の昨年から続く連敗が「11」に伸びた。といっても投球内容が悪いわけでは決してない。今季初登板となった5日の楽天戦(楽天モバイルパーク)は6回1失点の好投も、打線が無得点に沈み敗戦投手に。昨季“最もツイてなかった投手”の悲劇は今季も続くのか……。
隅田は5日の楽天戦で初回無死満塁のピンチを招き、内野ゴロの間に1点を許した。それでも、2回以降はゼロを並べて6回100球を投げて3安打4奪三振1失点と先発の責任を果たした。しかし、打線が沈黙し0-1で敗戦。隅田が敗戦投手になった。
一昨年のドラフト会議で4球団が競合し、西武に入団。1年目の昨年はプロデビュー戦で7回無失点の快投を演じて1勝目をあげたが、そこから“黒星地獄”に陥った。16登板で1勝10敗、防御率3.75と大きく負け越し。救援に回った時期もあった。
セイバーメトリクスの指標を用いてプロ野球のデータの分析などを行う株式会社DELTA(https://1point02.jp/)によると、隅田は昨季の16登板で81回2/3を投げて援護点は18。援護率は1.98で、80回以上投げた投手の中では、唯一の1点台だった。2番目に少なかったのは日本ハムの加藤貴之投手が2.50。大きな開きがあった。
与四死球、奪三振、被本塁打で投手を評価する「FIP(fielding independent pitching )」は3.03。80回以上投げた投手ではリーグ8位で、昨季10勝の日本ハム・伊藤大海投手や、西武のエース・高橋光成投手らを上回っていた。
昨季の西武はチーム打率が12球団ワーストの.229。今季も6試合を終えた時点とはいえ総得点が14、チーム打率.226、3本塁打と湿っている。そんな中でプロ2勝目、さらなる飛躍を遂げられるか。今後の投球が注目される。
(Full-Count編集部 データ提供:DELTA)
データ提供:DELTA http://deltagraphs.co.jp/
2011年設立。セイバーメトリクスを用いた分析を得意とするアナリストによる組織。書籍『プロ野球を統計学と客観分析で考える デルタ・ベースボール・リポート1~3』(水曜社刊)、電子書籍『セイバーメトリクス・マガジン1・2』(DELTA刊)、メールマガジン『1.02 Weekly Report』などを通じ野球界への提言を行っている。集計・算出した守備指標UZRや総合評価指標WARなどのスタッツ、アナリストによる分析記事を公開する『1.02 Essence of Baseball』(https://1point02.jp/)も運営する。