9連覇を逃す大戦犯→バースの再来 38年ぶり快挙の阪神助っ人…胸に秘める“苦い経験”

阪神のシェルドン・ノイジー【写真:矢口亨】
阪神のシェルドン・ノイジー【写真:矢口亨】

ノイジーはドジャース時代の2021年、首位攻防の直接対決で“痛恨の捕球”

「SMBC日本シリーズ2023」で激闘を繰り広げている阪神に、日本一への強い思いを持っている助っ人がいる。4日に京セラドームで行われた第6戦で、山本由伸投手から先制ソロを放ったシェルドン・ノイジー外野手だ。日本シリーズの舞台での阪神助っ人の本塁打は、1985年のランディ・バース以来38年ぶり。歴史的な一発となったが、メジャー時代にはミスで優勝を逃した苦い経験がある。

 2回1死走者なしから高めへの156キロ直球を迷いなく振りぬいた。右翼ポール際への打球は、そのままの勢いでスタンドイン。阪神は2003年、2005年、2014年にも日本シリーズに進んでいるが、いずれも助っ人の本塁打はなかった。SNS上では「バースの再来」がトレンド入りするなど、大きな話題となった。

 ドジャース時代の2021年7月には、地区優勝を争っていたジャイアンツとの直接対決で、痛恨の逆転劇を許した。2点リードで迎えた9回2死満塁の場面、ゴロを捕球した遊撃手が二塁のノイジーに送球して試合終了かと思われた。しかし、棒立ちで捕球したことで、走者の足が先にベースに到達してセーフ。ここから逆転負けを喫し、ドジャースは最終的に1ゲーム差で地区9連覇を逃した。

 ノイジーの捕球は“怠慢プレー”として瞬く間に全米に拡散。シーズン終了後にも、地区優勝を逃した一因としてやり玉に挙げられた。結局、ドジャースをわずか1年でDFA(事実上の戦力外)となり、追われるように古巣のアスレチックスに復帰。悪夢から2年、異国の地で汚名返上のチャンスが巡ってきている。自身のプレーで逃してしまった歓喜の瞬間、今回は自らの手で掴みたい。

【実際の映像】“棒立ち”でまさかのセーフ 怠慢プレーと叩かれたノイジーの捕球

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