“背番号降格”中村奨成の今後を占う「48.6」 1軍ではブンブン丸も…隠された真の眼力

広島・中村奨成【写真:町田利衣】
広島・中村奨成【写真:町田利衣】

2軍で残している驚異的な数字…四球と三振の割合「BB/K」で「1.07」

 2017年ドラフト1位の逸材が、崖っぷちのプロ7年目を迎えている。広島の中村奨成捕手は今オフ、背番号「22」から「96」に変更。1軍での出場機会を2年連続で減らしており、事実上の降格とも言えるだろう。一方、2軍では文句ない成績を残しており、1軍でも同じ打撃ができるかがカギになってきそうだ。

 ウエスタン・リーグでは38試合に出場して打率.323、OPS.925だったが、1軍では18試合で打率.150、OPS.300にとどまった。セイバーメトリクスの指標を用いて分析などを行う株式会社DELTA(https://1point02.jp/)のデータによると、1軍と2軍で打席でのアプローチに大きな違いが出ていることが示されている。

 2軍では四球と三振の割合「BB/K」で「1.07」と、抜群の選球眼を見せている。昨季の1軍では規定打席に到達した打者で、これより高い数字を残しているのはソフトバンクの中村晃外野手ただ一人だ。しかし、1軍では20打席で選んだ四球はなんとゼロ。ボール球スイング率「48.6%」と、2球に1球のペースでボール球に手を出しているのだ。

 2軍と1軍では、全く別人という状況に陥ってしまった中村奨成。レベルの違いに対応できていないのか、はたまた打ちたい気持ちが先走っているのか……。何はともあれ、この差を埋めることができれば、1軍でも活躍できるはずだ。生き残りをかける25歳のシーズンとなる。

(Full-Count編集部 データ提供:DELTA)

データ提供:DELTA http://deltagraphs.co.jp/
 2011年設立。セイバーメトリクスを用いた分析を得意とするアナリストによる組織。書籍『プロ野球を統計学と客観分析で考える デルタ・ベースボール・リポート1~3』(水曜社刊)、電子書籍『セイバーメトリクス・マガジン1・2』(DELTA刊)、メールマガジン『1.02 Weekly Report』などを通じ野球界への提言を行っている。集計・算出した守備指標UZRや総合評価指標WARなどのスタッツ、アナリストによる分析記事を公開する『1.02 Essence of Baseball』(https://1point02.jp/)も運営する。

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