ブレーク→打率“最下位”…燕22歳は「振りすぎ」 レギュラー定着へ、専門家が唱える弱点

ヤクルト・長岡秀樹【写真:小池義弘】
ヤクルト・長岡秀樹【写真:小池義弘】

燕OBの飯田哲也氏が挙げる浮上のキーマンは村上&塩見

 2024年のプロ野球も各球団が春季キャンプを打ち上げ、3月29日の開幕に向けて仕上げの時期に入る。2021、2022年にセ・リーグ連覇を達成をしたが、昨年は5位に沈んだヤクルト。再浮上するためには何が必要だろうか。ヤクルトでゴールデングラブ賞を7度受賞するなど、黄金時代に活躍した野球評論家の飯田哲也氏は塩見泰隆外野手の復活などを挙げた。

 昨年は57勝83敗3分けで、最下位・中日とゲーム差なしの5位。ヤクルト浮上の絶対条件として、飯田氏は村上宗隆内野手、塩見の復調を挙げた。2022年に3冠王に輝いた村上は昨年、打率.256、31本塁打、84打点、リーグワーストの168三振に終わった。

 飯田氏は「30発は行きましたけど物足りない」とし、その原因をタイミングの取り方にあったと分析。「タイミングを取るのが遅くて、差し込まれていたように見えました。仕留められる球をファウルにして、ミスショットが多かった。打者不利のカウントになって、落とされて振ってしまうことも多かったですね」と語る。ただ、「WBCでももがいて、彼にしかできない経験ができたとも言えます。去年の経験を糧に、今年はやってくれると思います」と期待を寄せる。

 塩見は昨年故障に苦しみ、51試合出場で打率.301、8本塁打に終わった。昨季、チームの1番打者の打率.242はリーグ5位。塩見不在で1番打者がなかなか機能しなかったことは、低迷の一因になったとも言える。「塩見選手が1番で常時試合に出ることは、浮上に欠かせない条件だと思います。長打力もあるし、足もある。相手が嫌がる最高の1番打者です」。

 飯田氏は、強いチームには強力な1番と4番がいると語る。昨年日本一になった阪神には、1番に近本光司外野手、4番に大山悠輔内野手という頼れる存在がいる。「1番がクルクル代わるようだと苦しくなります」と強調した。2日の中日とのオープン戦で塩見は3番、3日の同カードは1番で出場した。打順も注目される。

 成長を期待するのが、今季5年目の22歳・長岡秀樹内野手だ。2022年は139試合で打率.241、9本塁打をマークし、遊撃のゴールデングラブ賞に輝くなどブレークしたが、昨年は135試合で打率.227、3本塁打。打率は規定打席到達選手の中で最下位の27位だった。「これからレギュラーを長く張っていくためにも打率を上げてほしい」と訴える。「去年は振りすぎだったと思います。一発を期待されている打者ではありませんし、センター中心の打撃を心がけてほしい。早く自分の特長に気付いてほしいと思います」と訴えた。

 もう1人気になる存在が、4年目の内山壮真捕手。昨年はトータルで94試合に出場し、打率.229、6本塁打をマーク。先発出場時の守備位置は捕手が24試合、左翼が15試合、中堅が10試合、右翼が5試合だった。飯田氏は「捕手一本で行ってほしい」と主張する。「捕手と外野の兼務は負担になるし、中村(悠平)選手の後釜は内山選手でしょうから、それも踏まえて捕手として頑張ってほしい」と語る。春季キャンプでは三塁の守備でシートノックを受けるなど、さらに選択肢を広げようとする21歳。果たして今季はどんな起用になるだろうか。

(Full-Count編集部)

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