“現金1000万円”を紙袋に…超高級車を豪快購入 札束ぎっしり、清原和博の驚愕伝説

元西武・清原和博氏【写真:小林靖】
元西武・清原和博氏【写真:小林靖】

背番号「1/2」を着けた西武元マネジャーの島田正博氏

 西武球団初のOB戦「LIONS CHRONICLE 西武ライオンズ LEGEND GAME2024」が16日、ベルーナドームで行われ、“伝説のマネジャー”もベンチ入りした。広岡達朗氏が監督に就任した1982年から12年間2軍マネジャー、森祇晶監督最終年の1994年から8年間は1軍マネジャーを務め、東尾修監督にも仕え、黄金期を縁の下で支えた島田正博氏だ。

 この日は、在任当時に春季キャンプで着用していた背番号「1/2」のウエアを身にまといベンチ入り。「和田(博実)2軍監督から『おまえは半人前だから』と、この番号を勧められました」と笑う。

 NPB史上5位の525本塁打を誇る清原和博氏とは、1986年の西武入り時から親交が深かった。「最初は清原がPL学園3年で西武からドラフト1位指名を受け、所沢に施設見学に来た時。当時の球団代表から、第二球場で並んでランニングするように命じられました。小柄な私と並べることで、清原の大きさを強調する狙いがあったようです(島田氏は160センチ、清原氏は188センチ)。実際、その写真が翌日のスポーツ紙の1面を飾りましたよ」と振り返る。

 何年か経ち、シーズンオフのある日、清原氏にずっしりと重い紙袋を手渡され、「何が入っていると思う?」と問いかけられたことがある。ふた代わりのタオルを退けてみると、なんと札束がぎっしり。「1000万円くらいあったのでしょうか……」と目を白黒させた。

 清原氏はその現金を持参してフェラーリ・テスタロッサを買いに行ったという。「私は納車の時も、清原本人よりも先に乗らせてもらいました。『ええやろ?』と笑っていましたね」。バブル期を象徴するような豪快なエピソードである。

元近鉄・中村紀洋氏と親しくなったきっかけは悪夢の延長戦

 シーズン中は選手の宿泊ホテル、移動の飛行機、列車、バスなどの手配をすることがマネジャーの重要な仕事の一部だ。「毎年春のキャンプイン前に、シーズン中の全ての予約を終えますが、試合が異常に長引いたり、中止になると、急きょ予約を取り直さなければならなくなります。そういう時は、試合中にサブマネジャーを空港や駅に走らせました」と説明する。

 特に、あるビジターの近鉄戦で、リードして9回を迎えながら、相手の主砲だった中村紀洋氏の適時打で同点とされ、延長戦も二転三転し、周章狼狽したことは忘れられないという。

「数年後、表彰式で初めて中村と顔を合わせた時、『あの時は君のせいで大変だったぞ』と声をかけて、それをきっかけに仲良くさせてもらいました。今も連絡を取っています」と明かす。

 名マネジャーはこの日も試合前から、スタメンの確認、出番の予定などを各OBに伝えながら、忙しく駆け回っていた。

(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)

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