新庄監督「わざと落とした」 OP戦.000で2軍降格…2年目内野手、涙目からの逆襲
奈良間はOP戦途中に2軍落ちも…「8番・二塁」で自身初の開幕スタメン
■日本ハム 4ー1 ロッテ(29日・ZOZOマリン)
日本ハムは29日、ZOZOマリンスタジアムで行われたロッテ戦に4-1で勝利し、5年ぶりの開幕戦白星を飾った。2日前に1軍に再合流した2年目の奈良間大己内野手が「8番・二塁」で初の開幕スタメンを射止め、5回には3点目の足掛かりをつくった。新庄剛志監督は2軍落ちについて「わざと」と明かしたが、奮起した23歳に満足げだった。
若き下位打線が躍動した。3回、先頭の7番・水野が右中間を破る三塁打で出塁すると、奈良間は四球でつなぐ。9番でこちらも初の開幕スタメンとなった田宮の中前適時打で先制点を奪った。
「奈良間君、1回ちょっと気合が入っていなかったので、わざと落としたんですよ。小島君に合わせて連れ戻そうと心は決まっていたので。本人に言ったら涙目で『はい』って。やりますっていう顔をしていた」。試合後に新庄監督が舞台裏を明かした。
奈良間はオープン戦7試合で打率.000(7打数無安打)の不振で、2軍調整を命じられた。しかし、ロッテ先発の小島からは昨季プロ初アーチを放っている。それだけに、この大一番に向けて生まれ変わってほしかったのだろう。“ムチ”が効いたのか、24日の2軍戦で2安打2打点と結果を残して1軍に帰ってきていた。
若手が流れをつかみ、先発の柱となる伊藤が6回無失点の快投。これ以上ない形で、自身初の開幕戦勝利を味わった。“貯金生活”も監督になってから初めてとなった。
上機嫌だった指揮官だが、本気の3年目に手にしたこの1勝の価値は大きい。「今年に関しては、この開幕戦を取らないと乗っていけないかなという気持ちはありましたよ。それくらい今年に関しては必死。僕を監督にしてくれた恩返し、責任は今年は果たしますよという気持ちはキャンプ中からあったので、今日の1勝はうれしくて仕方ないですね」。成長し続ける若手たちとともに、上を目指す。
(町田利衣 / Rie Machida)