開幕3日で2軍落ちは「悔しい」 急成長のオリ24歳…痛感した越えるべき“分厚い壁”
オリックス・福永…“3日間”の1軍帯同も「自信になります」
“3日間”に意味を見出し、再び前に進んでいる。オリックス・福永奨捕手はプロ入り3年目の今季、自身初の開幕1軍切符を掴んだ。「初めて開幕1軍に入れてもらえたことは自信になります。ただ、まだまだ。ここから頑張って上がっていきたいなと強く思いました」。春季宮崎キャンプ、オープン戦で存在感を示し、勝ち取った椅子だった。
3月29日に開幕し、開幕カードを終えた翌日の4月1日に出場選手登録を抹消された。チーム事情もある中での“降格”を、福永はグッと受け入れた。
「悔しいなと思ったのはもちろんです。でも、うれしかったですよ。1軍の捕手陣はものすごい壁でもある。(1軍で)一緒に練習できることが僕にとってはプラスなんです。だから、3日間でしたけど、うれしい期間でした。良い刺激ですし、この人たちを超えると試合に出られるようになるんだなと、改めて実感しました」
オープン戦では4試合に出場して7打数3安打の打率.429と成績を残した。守備では強肩を披露し、盗塁阻止にも成功。充実の表情で今季の開幕を迎えた。今は、大阪・舞洲で捕手の防具を手入れしながら、こんがりと日焼けをする日々だ。
若月と接する日々に「何気ない会話から生まれるヒントもある」
1軍に帯同する際は、若月健矢捕手の姿勢を見て学び、感じることも多かった。「一緒に居させもらって、技術的にもすごくうまいなと感じました。話しやすい(人柄)というのもありますけど、あの人や森さんを超えられなかったら試合に出られない。『どうしたら良いのかな?』と考えさせてもらえる期間でした。これまで僕はファーム生活が長くて、一緒にプレーする機会が少なかったので、なんとか見て接して吸収できないかなと。良いお手本が目の前にいるので(吸収しようと)必死でした」
福永は横浜高から国学院大を経て、2021年ドラフト3位でオリックスに入団。1軍での試合出場は新人年の5試合と昨季の3試合にとどまっているが、ファームの試合でマスクを被り、成長を遂げている。
あの“3日間”でモチベーションが、また上がった。「一緒に練習できると僕の技術の甘さも理解できるので、照らし合わせることができる。何気ない会話から生まれるヒントもあるので」。自らを奮い立たせ、今日も土埃にまみれる。
(真柴健 / Ken Mashiba)