吉田輝星、秋田は「ゆっくりできる場所」 “恋しさ”明かす数分間…見守る小木田敦也の存在

オリックス・吉田輝星(左)と小木田敦也【写真:小林靖、小池義弘】
オリックス・吉田輝星(左)と小木田敦也【写真:小林靖、小池義弘】

8日楽天戦は秋田で開催…吉田輝星「盛り上がりが予想以上でした」

 いつでも背中を押してくれる、温かい場所がある。オリックス・小木田敦也投手と“秋田トーク”を繰り広げていると、口笛を吹きながら吉田輝星投手がやってきた。8日の楽天戦は、2人の地元・秋田で開催される。吉田は「僕1回、経験ありますよ。日本ハムの時に先発させてもらっています」と笑顔で前髪をかきあげた。

 2022年6月21日、ファイターズの一員だった吉田は、秋田での楽天戦に先発登板した。先頭打者の茂木から初球ストライクを奪うと「自分が野球選手だったことを忘れるというか……」と思わぬ光景が目の前に広がった。

「初回の先頭打者だったので、思い切りストライクを投げたんです。真ん中にポーンという感じで。(打者が)見送ってくれたんですけど、スタンドの盛り上がりが予想以上でした。『うぉぉぉ!』という拍手と歓声を、今でも覚えていますね」

 2018年夏の甲子園、吉田は金足農業のエースとしてフル回転し、準優勝。“金農旋風”は社会現象にもなった。その後はドラフト1位で指名され、日本ハム、オリックスで活躍中。会話の中で、ふと口にしたのは「大阪とか東京で過ごしていると、少し帰りたい気持ちもあります。自然に触れたいというか(秋田は)ゆっくりできる場所ですよね。休みができたら、帰ろうかな」。目を見開いて地元への“恋しさ”を言葉にした。

 数分間、隣で「うんうん」と頷きながら吉田の話を聞いていた小木田“先輩”の優しさも、忘れてはいけない。“解散”となるタイミングで、小木田は「桜の季節は過ぎてしまいましたけど、角館は良い景色ですよ」と、しっかりと地元をアピール。「僕らは一生懸命プレーするだけですね。家族や親戚、友達とか地元の方々が楽しみにしてくれていると思うので」。1試合に、ぎゅっとドラマが詰まっている。

○真柴健(ましば・けん)1994年8月、大阪府生まれ。京都産業大学卒業後の2017年に日刊スポーツ新聞社へ入社。3年間の阪神担当を経て、2020年からオリックス担当。オリックス勝利の瞬間に「おりほーツイート」するのが、ちまたで話題に。担当3年間で最下位、リーグ優勝、悲願の日本一を見届け、新聞記者を卒業。2023年からFull-Count編集部へ。

(真柴健 / Ken Mashiba)

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