指揮官嘆き「仕方ないじゃ済まない」 オリはなぜ苦戦…頭を悩ます“反転”した「15」

オリックス・中嶋聡監督【写真:荒川祐史】
オリックス・中嶋聡監督【写真:荒川祐史】

2点リードの9回に守護神・マチャドが3失点と炎上し逆転負け

■ヤクルト 5ー4 オリックス(16日・京セラドーム)

 オリックスは交流戦を10勝8敗の6位でフィニッシュした。期間中は今季最長の7連勝をマークするなど、一時のどん底から抜け出した。故障者も徐々に戻り反攻の準備は整いつつあると思われたが、中嶋聡監督は「やり直しを含めて色々なことを考えていかないといけない」と、厳しい表情で交流戦を総括した。

 後味の悪い交流戦ラストだった。16日に京セラドームで行われたヤクルト戦。2点リードの9回に守護神・マチャドが5安打3失点の大炎上で逆転負けを喫した。テキサスヒットなど打ち取った打球もあったが、指揮官が苦言を呈したのは投球内容とは違う所にあった。

「(守護神で負けるのは)仕方ないじゃ済まないですよね。結局は走られてるわけですから。そこに関しては、課題としてずっとやってるはずなんですけどね。そういう隙があるということなので……」

 この日、マチャドは1死一塁から代走・赤羽に二盗を許すと、同点に追いつかれた2死一塁からベテラン・青木にも二盗を許した。続く武岡に勝ち越しの適時二塁打を浴び、その後の西川の二盗を含め1イニング3盗塁。注意していたはずの盗塁が得点に絡む結果に。バッテリーも無警戒ではないが、簡単に盗まれる場面が多いだけに指揮官も頭を悩ませている。

不安定なチーム状況「後ろでもたついたりしている分、落ち着いてこない」

 チームは現在、W守護神だった平野佳や昨季リーグ3連覇に貢献した宇田川、山崎颯らの勝ちパターンが不在。宮城ら開幕ローテだった先発陣が不在なこともあるが、終盤にやられる場面も目立っている。ここまで逆転負け「15」はリーグ最多で、1点差ゲームの勝敗は9勝13敗と大きく負け越している。28勝13敗だった昨季とは雲泥の差だ。

 主力のケガが続出し厳しい戦いが強いられているのは確かだ。だが、開幕からここまでのチーム状況について中嶋監督は「後ろでやられるのはチームとして上がっていく上で、今年に関していえばそこですよね。後ろでもたついたりしている分、落ち着いてこない」と、波に乗れない理由を口にする。

 交流戦は勝ち越しに成功したが、最後の1戦で露呈した課題に「本当に勝っておけばという話。勝っていれば色んなことをプラスに考えられたが。今の負けがね……」と、嘆くしかなかった。

 4日間の休養を挟み、21日からは本拠地で最下位の西武と戦う。上位争いに食らいつくためには絶対に負けられない3連戦。「これでちょっと空きますので。もう一回、リセットしてやる。そこはずっと課題ではあるので」。リーグ再開までにチームを立て直すことができるか、中嶋監督の腕の見せ所だ。

(橋本健吾 / Kengo Hashimoto)

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