ドラ1を変えた12日間の苦悩「打つしかない」 躍進続く23歳…再昇格で掴んだ“場所”
オリックス・太田椋…「何回もチャンスを頂いた中で、ようやく実になってきている」
■オリックス 4ー3 ソフトバンク(10日・京セラドーム)
黙々と振ったバットから、好結果が生まれている。オリックスの太田椋内野手が好調を維持している。10日のソフトバンク戦(京セラドーム)でマルチ安打を放つなど4試合連続安打を記録中。今季はここまで52試合に出場して、打率.289、2本塁打、28打点と存在感を際立たせている。
「昔から何回もチャンスをもらってきた立場。何回もチャンスを頂いた中で、ようやく実になってきている感じがします。力まずに……。いかにファームでやってきたことが(試合で)できるかというのが難しいところ。そこは意識していますね」
太田は2018年ドラフト1位でオリックスに入団。プロ6年目の今季は開幕1軍スタートを切るも、5月5日に出場選手登録を抹消され、ファームで鍛練を積んだ。「1軍に上がるチャンスを掴むことも大切ですけど、昇格して1試合目に結果を残せる準備が必要だと思っています」。5月17日に再昇格を果たして以来、奮闘を続けている。
12日間、2軍で過ごした苦悩の日々は振り返るとあっという間だった。「打つしかないんで……。気持ちを高めて、バットを振っていました」。結果にこだわり続け、ヒットを量産した。2軍で流した汗はウソをつかない。
「今は毎日試合に出させてもらって、大きくプレッシャーを感じることはなくなりました。もちろん、良い意味です。(結果が)良かったり良くなかったり……。日々、戦いなので。しっくりこない日でも最低限、打席でのアプローチが破綻しないようにしています」
打順で後ろに控えることが目立つ、西川龍馬外野手の存在も大きい。「僕が3番起用になり始めた頃に、龍馬さんも4番になった。交流戦くらいですかね? 僕がなんとか塁に出たら、龍馬さんが繋いでくれて(5番の)ベニがかえすという良い流れの試合ができてきた。だからこそ、とにかくつなげば、という気持ちがあります」。10日の試合は2番太田、3番西川。流れができつつある。
「どの打順を任せてもらっても、前も後ろも本当に良いバッターなので。いつも僕はつなぐ気持ちです」。5連勝で勝率5割復帰。若武者たちの躍進は続く。
(真柴健 / Ken Mashiba)