巨人と対照的なスタメン事情に滲む苦闘 存在感示せぬ生え抜き…様変わりの“試行錯誤”

中日・立浪和義監督【写真:中戸川知世】
中日・立浪和義監督【写真:中戸川知世】

確固たる地位を掴めない期待の生え抜き選手たち

 中日打線が落ち着かない。日替わりのラインナップと試行錯誤が続いており、気がつけば移籍組が大半を占める状態に。生え抜きが存在感を見せられず、補強メンバーも特効薬にならず、SNSではファンのもどかしい声が漏れている。

 3-4で敗れた20日の巨人戦(東京ドーム)では、スタメンの生え抜きは2番の田中幹也、3番の福永裕基の2人。1-0で勝利した前日19日の同カードは、3番の福永と先発の高橋宏斗投手だけだった。もちろん、生え抜きだろうが移籍組だろうが、ドラゴンズの一員には変わりない。実力ある者が定位置をつかむのが勝負の世界ではある。

 X(旧ツイッター)でも「中日の生え抜き野手少ないな」「いつからそんなチームになったんだ」との声がある一方で、「生え抜きとか生え抜きじゃないとかあんま気にせんでええやんな、そりゃ生え抜きに越したことはないけど中日に来たらみんな仲間やんな」との意見も。

 ただ、結果がついてこないだけに、“生え抜き論争”は出てきてしまう。首位争いを繰り広げるチームと対照的となれば、なおさらだ。巨人の直近のスタメンを見ると、吉川尚輝、岡本和真、大城卓三、坂本勇人、泉口友汰ら生え抜きがずらりと並ぶ。戦略を持ったドラフトで選手を獲得し、1軍に押し上げていく。その中で足りない戦力を適宜補強するのがチームづくりの定石だが、その融合が進まない。

 今季は岡林勇希が苦しみ、未来の大砲・石川昂弥も確固たる地位を掴めていない。ベテランの大島洋平は大きく出場機会を減らしている。昨季の開幕スタメンが岡林、大島、高橋周平、木下拓哉、福永、龍空が並んでいたのを考えると、様変わりした印象もある。

 勝負の3年目を迎えた立浪和義監督は、日々難しいやりくりと決断が続く。より思い入れの強い生え抜きの活躍を期待する声があるのも確かだが、いま竜党が最も欲しているのは勝利。低迷期から脱出する兆しを後半戦に見出したい。

(Full-Count編集部)

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