「2軍で抑えてもお金にならない」 失意のドラ1右腕…杉内コーチが求める“投球改革”
巨人ドラフト1位・西舘はプロ初先発で5回4失点、試合後に2軍再調整が決まった
■中日 8ー2 巨人(23日・東京ドーム)
これが1軍の厳しさなのか。巨人のドラフト1位、西舘勇陽投手は23日の中日戦(東京ドーム)で5回6安打4失点。プロ初先発で、ほろ苦い3敗目を喫した。「あまりテンポとして良くなかったですし、攻撃につなげるような投球ではなかったと思います。自分が苦しくなった時に頼るボールが少ない」。自らの課題を口にした。
初回から制球が定まらずに2安打2四球で2失点。4回、5回は先頭打者を出す苦しい投球で失点を重ねた。中継ぎから先発転向した2軍では、4先発で防御率1.62。16回2/3を投げて22奪三振と高い奪三振能力を見せた。ただ、1軍ではそう簡単にはいかない。杉内俊哉投手チーフコーチは「やっぱり1軍は簡単に三振してくれないので。2軍だったらカウントを作るまで軽く投げて、追い込んだら力を入れて。(2軍の)映像ではそういうふうに見えた。1軍だとカウントを作る段階でも打たせてしまう」と語った。
元々、球の強さが持ち味の投手だ。課題はハッキリしている。杉内コーチは「本人にも言いましたけど、やっぱり100%に近い力で投げて制球できるように。空振りを取れる変化球があれば、真っ直ぐはもっと生きる。腕を振ってストライクゾーンに制球できる真っ直ぐと変化球があれば」と言葉をつないだ。
優勝争い真っ只中のチーム。首位・広島も敗れて2ゲーム差のままだが、試合後、西舘の2軍再調整が決まった。「1軍でやっぱり結果出さないとね。2軍で抑えても全くお金にならない。そこはたぶん本人も感じてるんじゃないですかね」と杉内コーチ。ドラフト1位右腕にはモデルチェンジが求められる。
(小谷真弥 / Masaya Kotani)