「僕も好きなんです」…廣岡大志の“甘え”が生んだサプライズ 引退のT-岡田が「そっと」

オリックス・廣岡大志(左)とT-岡田【写真:北野正樹】
オリックス・廣岡大志(左)とT-岡田【写真:北野正樹】

オリックス・廣岡大志、現役引退のT-岡田から受け継ぐ“意志”

「T」の魂を受け継ぐ。オリックスの廣岡大志内野手は、今季限りで現役引退するT-岡田外野手の走塁用手袋を使っている。昨季5月にトレードでオリックスに加入。「ヤクルトでお世話になった坂口(智隆)さんからも『よろしく!』と言ってくださっていたみたいです。そのこともあって、結構、気にかけてくださいました」。優しい先輩に、すぐさま甘えた。

 加入してすぐに「ください!」と“おねだり”すると、走塁用手袋をプレゼントしてもらった。T-岡田にもらった走塁用手袋の話題になると「オリックスに来てから、ずっと使っていました。(昨季の)日本シリーズでも使っていましたよ」と微笑む。

 T-岡田とは趣味のキャンプが「共通点」で気が合う。「僕も好きなんです。ナベ(渡邉大樹・現ヤクルトスコアラー)から『Tさんもキャンプ好きだよ』と教えてもらって。その出来事も結構、大きかったですね」。今オフも“約束”している趣味が、コミュニケーションを円滑にした。

 T-岡田は今季で引退するが「(高卒プロ)19年目で、動きたくても動けない選手もいる中で、しっかりとした土台がある。野球選手として1番大切な続ける体力を持っておられます。ずっと練習されてきたからだと思いますね」と尊敬する。

「(打撃の)引き出しが多いので、参考にさせてもらうことも多いです。僕も、もっと練習をしないとあかんなと思わせてくれる存在でした」

 今季限りでユニホームを脱ぐ先輩から“サプライズ”があった。「最近ね、また新しい走塁用手袋をもらったんです。舞洲のロッカーに、そっと置いてくださってました。いつも(冗談で)またください! とは言っていましたけど。内緒で置いてくれていました」。そんな廣岡は、意志を継ぐと同時に、感謝の気持ちを手紙に綴った。

○真柴健(ましば・けん)1994年8月、大阪府生まれ。京都産業大学卒業後の2017年に日刊スポーツ新聞社へ入社。3年間の阪神担当を経て、2020年からオリックス担当。オリックス勝利の瞬間に「おりほーツイート」するのが、ちまたで話題に。担当3年間で最下位、リーグ優勝、悲願の日本一を見届け、新聞記者を卒業。2023年からFull-Count編集部へ。

(真柴健 / Ken Mashiba)

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