杉本裕太郎がMLBを“生観戦”したワケ 衝撃受けた行動…カブス23歳から得た刺激

オリックス・杉本裕太郎【写真:小林靖】
オリックス・杉本裕太郎【写真:小林靖】

杉本裕太郎は3月16日の巨人対カブスを観戦

 オリックスの杉本裕太郎外野手が、カブスの“PCA”ことピート・クロウ=アームストロング外野手から大きな刺激を受けたことを明かした。今季就任した岸田護監督の下、33歳は節目の10年目をスキのない野球で臨む。

「自分よりレベルの高い人たちばかりなんで、勉強になりました」と杉本が目を輝かせた。観戦したのは3月16日に東京ドームで行われた「MLB開幕戦 プレシーズンゲーム」の巨人‐カブス戦。ヤクルトとのオープン戦(神宮)が雨天中止となったことからチケットを入手し、同僚の福田周平外野手と足を運んだ。

 驚きの連続だった。打撃練習では大振りしてスタンドに放り込む選手は少なく、試合前の準備として丁寧に打っているのと、楽しそうに取り組んでいるのが印象的だったという。

 最も目を奪われたのが、今回の来日でアグレッシブなプレーで一気にファンが増え、“PCA”の呼び名が日本でも定着した23歳のクロウ=アームストロングだ。俊足堅守の選手で、この試合には「7番・中堅」で出場。5回にはフォスター・グリフィン投手から右中間へ安打を放ち、俊足を飛ばして楽々と二塁に到達した。

PCAに驚嘆「失敗を恐れずプレーしている」

 次打者の初球に三盗に成功。ゲージ・ワークマン内野手の右前打で先制のホームを踏んだ。守っても泉口友汰内野手の左中間への打球を素早く処理。強肩で二塁進塁を阻止した。

「三盗はするとも思っていませんでした。思い切りがなければ、なかなかできないプレーです。失敗を恐れずプレーしているのかなと思いました。守りでも左中間の難しい打球をシングルヒットに抑えたり、凡打でも全力疾走していました」と杉本。プロの目から見ても見習うべきプレーの続出だったようだ。

 お客さん目線で感じたこともある。左翼中段の外野席から観戦したが、「こっちから見たら、選手がすごくカッコよく見えているんやなと思いました。それはもう、みんなすごくカッコよく見えたんです」。プロ野球選手として、全力プレーでファンの前で輝き続けることを誓った日でもあった。

 状況に応じて選手一人一人が自分の役割をこなし、チーム全員で1点を取りに行く野球を目指す岸田護監督。「スキを突くというのは、別に足の速い遅いに関係なくできると思います」と杉本。もらった刺激をシーズンで生かしていく。

○北野正樹(きたの・まさき)大阪府生まれ。読売新聞大阪本社を経て、2020年12月からフリーランス。プロ野球・南海、阪急、巨人、阪神のほか、アマチュア野球やバレーボールなどを担当。1989年シーズンから発足したオリックスの担当記者1期生。関西運動記者クラブ会友。2023年12月からFull-Count編集部の「オリックス取材班」へ。

(北野正樹 / Masaki Kitano)

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