本拠地初勝利も…ハム新庄監督が切り出した“懸念” 強肩だからこそ「投げなくていい」

「僕も一時期あって。速い打球が来たとき全部刺せる気持ちになってしまう」
■日本ハム 3ー1 ソフトバンク(2日・エスコンフィールド)
日本ハムは2日、エスコンフィールドで行われたソフトバンク戦に3-1で勝利し、本拠地初勝利を挙げた。現役ドラフトで加入した吉田賢吾捕手が移籍後初安打をプロ1号で飾り「うれしかったね」と破顔一笑だった新庄剛志監督。しかし真剣な表情で「あとは気をつけてほしいことがあって」と切り出したことがあった。
“懸念”は万波中正外野手について。現役時代、外野手として計10度のゴールデングラブ賞に輝いた名手だからこそ、「昨日のゲームもそうなんですけど、僕も一時期あって。万波くん、やっぱり肩が強いじゃないですか。速い打球が来たときに全部刺せる気持ちになってしまう。で、ちょっと送球が高くなって、打った打者をセカンドにやる」と指摘した。
1日の同戦。2回2死二塁から中村晃の右前打で、二塁走者の周東が生還。万波がバックホームする送球間に、打者走者の中村は二塁に進塁した。“次の1点”を防ぐための大事な局面だけに「昨日(1日)の打球での(走者が俊足の)周東くんだったら、もう投げなくていい。わかるじゃないですか。前に出て、セカンドを1つアウトにしようと。そこはちょっと森本コーチに伝えていかないといけない」。
自身が現役時代に相手のコーチに聞いたところ、「新庄のところに飛んだら全部、打った打者はセカンドに走れっていう指示。ノンストップ」だったという。刺せる肩の強さがある外野陣だからこそ、意識しなくてはいけないことがある。
「うちは矢澤くんにしても五十幡くんにしても万波くんにしても肩が強い。僕が相手チームの外野守備コーチだったら、あそこに飛んだらもう打者は二塁に一目散で行けと。そこから僕はカットが捕れる低さでいくボールをしっかり練習しました。ジャンプして捕れるか捕れないかくらいだったら、走らないから。大体わかるじゃないですか、投げた瞬間に。レベルアップさせるためには直していかないといけないなと」
開幕2カードを終え4勝1敗、最高のスタートを切っても上を目指す気持ちは変わらない。“綻び”が広がらないように引き締める指揮官の姿に、今の日本ハムの強さが表れているようだった。
(町田利衣 / Rie Machida)

