3年ぶり復帰、ロッテ34歳が備える“特殊能力” 最大の課題も解消…進化示す3.45

ロッテのタイロン・ゲレーロ【写真:パーソル パ・リーグTV】
ロッテのタイロン・ゲレーロ【写真:パーソル パ・リーグTV】

3年ぶりにロッテへ復帰したタイロン・ゲレーロ

 ロッテに3年ぶり復帰したタイロン・ゲレーロ投手が、リリーフ陣の一角として開幕直後から登板を重ねている。34歳右腕は2022年にもロッテのセットアッパーとして活躍したが、復帰した今季も剛球を武器に存在感を放ち、5日の楽天戦で初セーブを挙げた。今回は過去の球歴や特徴を紹介する。(成績は4月7日時点)

 ゲレーロは19歳で迎えた2010年にルーキーリーグでプロデビュー。その後はMLB傘下の球団でステップを踏んでいった。2016年にパドレスでメジャーデビューし、2018年にはマーリンズで60試合に登板して奪三振率10.55を記録。2019年も52試合で奪三振率8.41をマークした。2022年にロッテに入団し、49試合で27ホールドポイント。最速160キロ超の剛球を武器に活躍した。

 最大の持ち味は、速球を生かした抜群の奪三振力だ。2022年は46イニングで63奪三振をマークし奪三振率は12.33だった。一方で、与四球率は3.91。制球面では課題を抱えていた。それでも奪三振を与四球で割って求める「K/BB」は3.15と一定以上の水準に。1イニングごとに出した走者の平均を示す「WHIP」は1.17と、優れた数字を記録していた。

 マイナーリーグ通算の防御率は4.68。しかし、ゲレーロが3A在籍時にプレーしていたパシフィックコーストリーグは乾燥地帯や高地の球場が多く、極端な打高投低のリーグとして知られている。19歳で迎えたプロ1年目の2010年にルーキーリーグで奪三振率9.51を記録したのを手始めに、マイナーで過ごした13シーズン中8シーズンでイニング数を上回る奪三振を記録。マイナー通算の奪三振率も9.11と高かった。

 マイナー通算の与四球率は5.72とかなり高かったが、2024年の与四球率は2.72と大幅に改善され、キャリア最高の数字を記録した。奪三振率も9.41とキャリア平均を上回る好成績を残し、K/BBも3.45とキャリアベストの水準に達した。前回の来日直前にあたる2021年は奪三振率11.84だったが、与四球率は5.68と制球に課題を抱えていた。投手としてより完成度が高まった状態で来日を迎えたという見方もできそうだ。

(「パ・リーグ インサイト」望月遼太)

(記事提供:パ・リーグ インサイト

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