阪神戦、“疑惑”の判定は「すれ違い」 試合前に2分間の異例対応…井上監督「ズレを確認」

試合前に両監督へ審判員から異例の対応
■阪神 5ー1 中日(バンテリンドーム)
中日は25日、バンテリンドームで行われた阪神戦に1-5で敗れた。試合開始前には井上一樹監督と藤川球児監督がメンバー表交換をする際、審判を交え約2分間会話する場面があった。この“異例”の事態について井上監督は試合後の取材で「昨日の判定について、互いにすれ違いがあった」と明かした。
事の発端は24日の試合。9回先頭の阪神・渡辺諒内野手がフルカウントから見送った球を、球審が右手を上げかけながらもボール判定。これに井上監督はベンチを飛び出し、判定について確認を行う場面があった。
さらに、9回2死二塁の場面では中野拓夢内野手が際どい球をストライクと判定され、見逃し三振で試合終了。中野はバッターボックス付近で呆然と立ち尽くした。試合後には藤川監督が“疑惑”の判定と、井上監督の抗議について苦言を呈していた。
この状況を鑑みて審判から説明の時間が設けられた。「俺の確認の中でも藤川監督の言うようにストライク、ボールの判定に関して抗議するのは退場もの」と敵指揮官の主張について理解を示した。その上で、お互いに誤解があったと説明を続けた。
「昨日の場合は判定というよりも、声がなくストライクのジャッジをしたように見えたから、そこの確認をした。しかし藤川監督はその状況が見えていなかった。だから抗議しているように見えた。そういうところのすれ違いがあったと思います。なのでそこのズレをお互いもう一度確認しました」
抗議ではなく、あくまで確認だと主張した。「だから藤川監督に『何言っとんねん!』ということもないし、向こうもそういうことはない。そこで審判からの説明があったので長くなったというだけです」と補足した。
約2分間をかけて話し合い、最後は両監督が笑顔で握手。スタンドからは拍手が起こり異様な雰囲気の中で試合が始まった。最後までもつれる投手戦となったが、1対1で迎えた9回、中日のジュニオル・マルテ投手が2つのバント処理を暴投するなど自滅。阪神に打者一巡の猛攻を許し一挙4点を奪われ敗戦となった。