超満員で飛ばした“オリ紙ヒコーキ” 一致団結の考案企画…助っ人に負けじと「楽しかった」

イベントで紙ヒコーキを飛ばす少年たち【写真:北野正樹】
イベントで紙ヒコーキを飛ばす少年たち【写真:北野正樹】

オリックスの人気企画「オリっこ大作戦」が好評

 オリックスの子ども向けイベントが好評だ。子どもたち(オリっこ)に野球の楽しさを体験、体感してもらおうと、昨年から始めた「オリっこ大作戦」。2年目は3回にわたって実施し、子どもたちにオリックスの魅力を知ってもらう。

 球団発足時から「トライ&エラー」で新機軸を打ち出してきたオリックス。企画の立て方もユニークだ。ファン獲得やイベントを専門にするセクションだけではなく、部署を横断した「ブリッジミーティング」でアイデアを出し合い、子どもたちの思い出に残る企画を進めた。

 今年のメンバーは、事業推進部チケットグループ、営業部、広報宣伝部のほか、球場を運営する大阪シティドームの職員も。新たに実現したのが「オリ紙ヒコーキ」企画。親子にとってなじみ深く、知育的な視点からも親しみやすい折り紙で紙ヒコーキを作る企画が生まれた。ただ飛ばすだけではなく、事前にアンドレス・マチャド投手とアンダーソン・エスピノーザ投手に紙ヒコーキを作ってもらい飛距離を計測(17.5メートル)し、記録挑戦をキャッチコピーとした。

 当初は企画メンバーが子どもたちに教えるつもりだったが、試作を繰り返すうちに紙ヒコーキの奥の深さを痛感し、「折り紙ヒコーキ協会関西支部」に協力を依頼した。支部長の梅田昌伴さんはJALエンジニアリングで航空整備士を務めていた経験があり、「紙ヒコーキは調整と飛ばし方が重要。試行錯誤することが醍醐味で、子どもたちが航空力学に興味を持つ入口になってくれれば」と快諾した。

 6月15日の巨人戦(京セラドーム)で実施されたイベントでは講師の杉智子さんとともに、約20人の子どもたちに制作を指導。子どもたちは「マチャドとエスピを超えろ」を合言葉に真剣な表情で紙を折っていた。

 試合開始約30分前に、子どもたちがバックスクリーンから本塁に向かって自作の紙ヒコーキを投げ込むと、超満員のスタンドからも大きな歓声があがっていた。母の出野明子さんがオリックスファンの小学4年生、航大君はマチャドらの記録超に成功し「紙が硬くて折るのは難しかったけど、球場の中で飛ばせて楽しかった」と大喜びだった。

(北野正樹 / Masaki Kitano)

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