宇田川優希を救ったマチャドの”金言” TJ手術から目指す復活「明るい光が見えた」

オリックス・宇田川優希【写真:北野正樹】
オリックス・宇田川優希【写真:北野正樹】

宇田川は3月にTJ手術…マチャドも2015年に経験

 光芒一閃、未来が開けた。トミー・ジョン(TJ)手術を受けリハビリ中のオリックス・宇田川優希投手が、手術の先輩で同僚のアンドレス・マチャド投手のアドバイスで前を向けた。「マチャドさんの話を聞いたら、明るい光が見えてきました」。宇田川がはにかみながら目を輝かせた。

 育成出身の宇田川は、ストレートとフォークを武器に頭角を現し、2年目の7月末に支配下登録されると、リリーフとして26年ぶりの日本一に貢献。侍ジャパンにも選出され、2023年にはワールド・ベースボール・クラシック(WBC)に出場した“シンデレラボーイ”だ。

 しかし、大会後は右肩のコンディション不良に苦しみ、昨年は緊急登板したマウンドで右肘を痛め降板して戦列を離れた。今季の春季キャンプ中にTJ手術を決断。3月に手術を受け、いまはリハビリに励んでいる。手術に際し、WBCから慕っておりTJ手術をしたことのあるダルビッシュ有投手に相談したほか、山崎颯一郎投手や椋木蓮投手、河内康介投手ら手術経験者に術後のリハビリ方法などの教えを乞うた。

 マチャドのアドバイスも、心に響いた。「永遠に下半身トレや体幹強化のほか、肩のトレーニングをやっていたら復帰後、ボールが速くなったと聞きました。僕も肩が悪かった時があったので、肩を鍛えたらよくなると思いました」と宇田川。

 マチャドは2010年にロイヤルズと契約。2015年にTJ手術を受け1年後に復帰、2017年にメジャーデビューを果たした。2022年にはリリーフで51試合に登板し、昨年からオリックスでクローザーとしてプレーしている。来日初登板のマウンドで最速162キロをマークし、球団外国人の最速記録を更新。抑え投手として再起を目指す宇田川にとって、マチャドの復活劇は目指す道だった。

「彼から聞いてきたので、僕が10年前にどんなリハビリをしていたのか、覚えている限りのエクササイズを教えたよ。肘は(手術で)新しくなったので、肩や肩甲骨周りの強さをしっかりと持っていなければ、戻ってきた時にうまくいかないということも伝えた」

 マチャドは「本当にリハビリがとても重要だと思っている。リハビリのステップをしっかりと踏めば、今まで以上に強いボールを投げることができる。彼には明るい未来が待っているよ」と語り、一緒にブルペン陣を支える日を心待ちしている。

〇北野正樹(きたの・まさき)大阪府生まれ。読売新聞大阪本社を経て、2020年12月からフリーランス。プロ野球・南海、阪急、巨人、阪神のほか、アマチュア野球やバレーボールなどを担当。1989年シーズンから発足したオリックスの担当記者一期生。関西運動記者クラブ会友。2023年12月からFull-Count編集部の「オリックス取材班」へ。

(北野正樹 / Masaki Kitano)

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