戦力外から復活…中日29歳が証明する価値 リーグ1位の「5.3」が示す“外せない”ワケ

攻撃と守備、両方で高い数値を残す上林
交流戦が終わり31勝36敗でリーグ5位の中日。3位まで3ゲーム差、1位の阪神には6.5ゲーム差と上位が十分に狙える位置にいるのは、上林誠知外野手の活躍も要因の1つにあげられるだろう。加入2年目の今季は68試合に出場し打率.266、9本塁打、25打点の成績。外野守備での貢献も大きく、このままの活躍が続けば、守備の名誉でもあるゴールデン・グラブ賞の候補にもなりそうだ。(数値は全て25日時点)
株式会社DELTA(https://1point02.jp/)が算出した数値では、上林のUZRは「4.6」(左翼1.2、右翼3.4)。規定イニングを守ったセ・リーグの外野手では阪神・近本光司外野手(中堅6.4)に次ぐ2位となっている。守備範囲(RngR)においても左翼で1.7、右翼で5.3と高数値。右翼での5.3は規定イニング到達者でリーグトップの数値となっている。
打撃面でも9本塁打と25打点はチームトップ。OPSも規定打席到達者で、岡林勇希外野手に次ぐチーム2位の数字(.743)となっている。チーム全体の打率と得点が12球団ワーストの中日打線のなかで、数値の上でも12年目を迎えた上林の躍動が目立っている。
復活を遂げつつある上林の打撃に関しては、ファンからも「打撃が大谷化してる」「完全復活どころか進化してるな」「バケモン過ぎる」「エグいリストの使い方する上林が帰ってきたんか」などと称賛が止まない。
2013年ドラフト4位でソフトバンクに入団し、2018年は全試合出場で22本塁打。しかし、その後は故障に苦しみ2023年オフにソフトバンクから戦力外通告を受け、中日に加入。今季は開幕から打線の軸として活躍し、23日に発表されたオールスターゲームのファン投票最終中間発表では選出圏内の外野手部門3位に入るなど、多くのファンから注目を集めている。
27日に再開されるリーグ戦で上林がどんな活躍を見せてくれるか。29歳が歩む復活ロードから目が離せない。
(Full-Count編集部 データ提供:DELTA)
データ提供:DELTA http://deltagraphs.co.jp/
2011年設立。セイバーメトリクスを用いた分析を得意とするアナリストによる組織。書籍『プロ野球を統計学と客観分析で考える デルタ・ベースボール・リポート1~3』(水曜社刊)、電子書籍『セイバーメトリクス・マガジン1・2』(DELTA刊)、メールマガジン『1.02 Weekly Report』などを通じ野球界への提言を行っている。集計・算出した守備指標UZRや総合評価指標WARなどのスタッツ、アナリストによる分析記事を公開する『1.02 Essence of Baseball』(https://1point02.jp/)も運営する。