鷹→DeNAの三森大貴が見た古巣の野球 直接対決で実感した「勝つべきための強さ」

DeNA・三森大貴【写真:古川剛伊】
DeNA・三森大貴【写真:古川剛伊】

13〜15日まで交流戦で対決もDeNAは3連敗…三森は2試合に先発出場した

“外”から見た古巣に、改めて「強さ」を感じた。DeNAは13〜15日までみずほPayPayドームでソフトバンク3連戦に挑み、カード3連敗を喫した。今季からトレードで加入した三森大貴内野手にとって、入団から8年間を過ごしたチームはどう映ったのだろうか――。

 2016年ドラフト4位で入団し、8年間で3度のリーグ優勝、Bクラスはわずかに1度という“常勝軍団”の中で揉まれてきた。2022年には9本塁打&20盗塁をマークし、同年から2年連続で100試合以上に出場。しかしすさまじい層の厚さを誇るチームで、昨年は故障もあり25試合の出場にとどまった。オフに浜口遥大投手との電撃トレードが発表されると、大きな話題を呼んだ。

 新天地では開幕から1軍に帯同し、52試合で打率.207、13盗塁。先発出場は34試合にとどまっているが、“走塁改革”を掲げるチームの中で貴重な働きを見せている。古巣との戦いでは、初戦は8回2死から代打で出場もモイネロの前に中飛。第2戦は「8番・一塁」で第3打席に上沢から二塁内野安打をマークも、第3戦は「8番・三塁」で4打数無安打に終わった。チームは昨年日本シリーズで撃破した相手に“返り討ち”にあった形だ。そんな中で感じたことを、三森が明かす。

「ミスなく淡々と、みんなが勝つためにやるべきことをやりながら、イニングがどんどん進んでいく。前にいたときもそうですし、見ていてよりそう思いました。もちろんエラーをしないとか大雑把なことだけではなく、走者を進めるところは進めるだったり、本当に細かいところが1回から9回までできるというのが強みだと思いますし、そこで1本出るか出ないかはやはり個々の実力もあると思いますけど、そこまでの過程もそうですし、強さっていうのは感じましたね」

 久々だった元チームメートたちとの再会では、多くの選手から「楽しそうだな」と声を掛けられたという。それはDeNAにすっかり馴染んでいるという証だろう。「まあいろいろホークスってつらいことも多いので。なかなかみんながみんな報われない。そこは自分たちで切り拓いていくしかないですし、でもそれがホークスのよさでもあるので。どのチームでもそういう選手のほうが強いと思いますし、そういう風にやっていければいいのかなと思います」。荒波に揉まれてきた男らしく分析しつつ、「確かにすごく楽しくやれていますよ」と柔和な表情を浮かべた。

 新天地でのシーズンも68試合を消化した。「もう少しやりたいなというのはもちろんありますし、しっかりいいものをもっと出して行けるように、それが1シーズン通して続けていけるようにやらないといけないと思います」と先を見据える。すっかりチームに欠かせない存在となった26歳は、「まだシーズン半分ちょっとありますし、ここから怪我なくいいシーズンで終われるようにできればなと思います」と力強く誓った。

○著者プロフィール
町田利衣(まちだ・りえ)
東京都生まれ。慶大を卒業後、スポーツニッポン新聞社に入社。北海道総局で日本ハム、東京本社スポーツ部でヤクルト、ロッテ、DeNAなどを担当。2021年10月からFull-Count編集部に所属。

(町田利衣 / Rie Machida)

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