西武はなぜメジャー72発の助っ人を獲得? 幹部明かす背景…同僚から学んだ日本の良さ

入団会見に臨んだ西武のJ.D.デービス【写真:小池義弘】
入団会見に臨んだ西武のJ.D.デービス【写真:小池義弘】

広池球団本部長「丁寧にルーティンをこなしていた」

 人柄も折り紙付きだ。西武は16日に本拠地ベルーナドームで、シーズン途中に獲得したJ.D.デービス内野手の入団会見を行った。メジャー通算72本塁打の実績を誇る32歳の右の大砲で、得点力不足に悩むチームの救世主として期待される。

 11日に来日していたデービスはこの日、ベルーナドームに隣接するカーミニークフィールドで行われた3軍戦に「3番・指名打者」でスタメン出場。3打数3安打で順調な調整ぶりをうかがわせた。早ければ19日のソフトバンク戦から1軍に合流する可能性があり、三塁手もしくはDHとして起用される見込みだ。

「時差ぼけを直すのに日にちが必要でしたが、だいぶ体が慣れてきました。いつでも(1軍で)プレーできると感じています」とデービスは穏やかな笑みを浮かべる。近年の西武の外国人選手は周囲から「ひょっとしたら人柄優先で獲っているのではないか?」と言われるほど、真面目で気さくなナイスガイが多い。一昨年1年間在籍して15本塁打を放ったデビッド・マキノン内野手、昨季怪我などでメジャー通算114本塁打の実力を発揮できずに終わったヘスス・アギラー内野手も、人柄には定評があった。

 デービスについても、会見に同席した広池浩司球団本部長は「会見ににじみ出ていた通り実直で、来日してから5日間の動きを見ていても、丁寧に自分のルーティンをこなしていて、見習うべき点が多いと感じました」と評する。

 デービスは昨年、オフに西武に加入したタイラー・ネビン外野手とアスレチックスで一緒にプレーしていた時期がある。「ネビンとの関係が(西武入りの)決め手の一つでした。彼から日本という国のホスピタリティー(おもてなし)、やさしさ、食べ物、街の様子などを聞いていました」と明かしたが、一方で球団側もネビンらからデービスの人柄をリサーチしていた。広池本部長は「ネビンから話を聞きましたし、国際スカウトも直接会っていろいろな話をした上で『人間性も申し分ない』と評価していました」とうなずく。

 ネビンはデービスについて「もちろん人間として素晴らしいし、メジャー経験は私より豊富。周りから質問されると経験をまじえて丁寧に答えてくれるタイプなので、若い選手の多いライオンズにいい影響を与えてくれると思う」と太鼓判を押した。

「自分の持ち味は、どんな状況でもあきらめず、ハードにプレーするところ」と語るデービス。開幕後徐々に調子を上げて4番に定着し、打率.284、9本塁打、37打点(16日現在、以下同)が全てチームトップのネビンと打線の中核を担い、コンビでチームの順位を4位から押し上げることができるか。

(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)

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