北の大地で「夢を叶えた」その先へ ファイターズガールが貫くプロの姿勢

ダンスレッスンでメンバーに話を聞いた
2025シーズンも後半戦に突入したプロ野球ペナントレース。「大航海は続く」をスローガンに、9年ぶりのリーグ優勝を目指す北海道日本ハムファイターズを多方面で盛り上げるファイターズガールも、上村優菜さんキャプテン体制1年目の折り返しを迎えた。
ダンスレッスンが始まると、ファイターズガール振付師・松田佳月さん指導の下、新ナンバーの振り落とし、直近で披露するナンバーの振り固めなどが次から次へと進められていく。
その後、水分補給をはさむとすぐに、イベント出演や他球場への遠征出演に向けての練習へ。毎回出演メンバーが異なるため、イベント毎に変わるフォーメーションやMCをレッスンの間に集中して体に叩き込むメンバーたち。笑顔の中にも気迫が漂う。
それぞれが目の前の課題に立ち向かいながら、まさに2025シーズンを走り続けている今、その心境とは……レッスンの合間、メンバーに話を聞いた。
先輩たちから学ぶ「ファイターズガール“らしさ”」
「動画を見て覚えなきゃいけない振り付けも多々あるので、自主練は必須です」と話すのは新メンバーの高橋萌絵子さん。以前、他球団のチアチームで活動し、卒業後は建設業のインテリアコーディネーターとして働き、社会人経験を経てファイターズガールに加入した。
ここまでの活動について「ファイターズガールの道内での認知度の高さがとても印象的でした。球場外でのイベントなどに出演するとお客さんの反応もすごく、参加型イベントとなると多くの方が積極的に参加してくれます。なので、参加してくれた方をより巻き込む力がとても大切で、自分自身ももっと力をつけなきゃと感じています」と振り返る。
「ファイターズガールとしての活動が始まってから、それぞれの球団のチアチーム“らしさ”というものがあるんだなと感じています。以前活動していた球団のチアチームには小学校3年生の頃からJr.チアとして活動していたので、私自身に染みついた“らしさ”があったんです。それを否定するのではなく、先輩たちからファイターズガール“らしさ”をたくさん吸収して、ファイターズガールとしてより成長していきたいです」と話した。
モチベーションは「ファイターズガールの活動そのもの」
各自での練習の時間、楽しそうに振り付けを確認する姿が印象的だった水落桜子さん、桃子さんの双子姉妹。自宅でもそろって自主練をすることもあるそうで、2人の仲の良さがうかがえる。
話してみると、内面から出る明るさと前向きな姿勢を感じられ、周囲も元気になるポジティブエネルギーが溢れていた水落双子姉妹。「モチベーションは?」と尋ねると「試合です」とそろって即答した。
「大好きなファイターズをファンの皆さんとエスコンフィールドHOKKAIDOのグラウンドで応援している時間が本当に好きで、その時間があればストレスも吹っ飛びます。試合でデトックスされています(笑)」
名古屋にも遠征「この仕事が本当に大好きです」
最後に話を聞いたのは、活動2年目となる鈴木志織さん。チアダンス歴17年、プロ野球のチアになることが幼い頃からの夢だったといい、今年の6月バンテリンドームナゴヤでの対中日ドラゴンズ戦に遠征出演。地元である名古屋に凱旋できたことが強く心に残っていると話した。
「プロ野球チアになることが夢で、夢を叶えることができました。遠征出演した日のバンテリンドームに、昔地元で一緒に踊っていたチームメイトや両親も来てくれてとても感慨深かったですし、この仕事が本当に大好きなのでその姿を見せることができてよかったです
2020年からファイターズガールの振付師、ダンスインストラクターを担当
2025シーズンは、全22人で活動するファイターズガール。メンバー1人1人がさまざまな思いを抱きながらファイターズガールの活動に邁進し、ファイターズにエールを送っている。そんな彼女たちを振付師、ダンスインストラクターとして支える松田佳月さんは、今季のファイターズガールについてこう口にした。
「今季のファイターズガールは、向上心高く練習に励むメンバーが多く、それぞれがしっかりと意思を持って活動してくれていると感じています。練習でも常に本番をイメージして表情を作ったり、手を抜かず取り組んでくれるのでとてもありがたいです。こうした姿勢は本当に頼もしいですし、この良い流れを大切にしながら、さらにチーム全体が成長できるよう意識していきたいと思っています」
(「パ・リーグ インサイト」編集部)
(記事提供:パ・リーグ インサイト)