吉田輝星の弟・大輝は「大化けしそう」 兄が見た甲子園での“成長”、プロなら「下位か育成」

オリックス・吉田輝星と金足農高・吉田大輝【写真:北野正樹、加治屋友輝】
オリックス・吉田輝星と金足農高・吉田大輝【写真:北野正樹、加治屋友輝】

弟の大輝は金足農業のエースとして甲子園に出場

 オリックスの吉田輝星投手が、夏の甲子園で初戦敗退した弟で、母校・金足農高(秋田)のエース、大輝投手の成長ぶりについて語った。「大化けしそうな気配は感じました」と、マウンド上での“変化”に注目した。

「リハビリトレーニング中だったので、テレビをじっくりとは見ていないのですが、この前の登板を見て、なんか変わりそうだな、大化けしそうな気配は感じましたね」。吉田が真剣な表情で、弟大輝の変化を口にした。

 大輝にとって2年連続の甲子園。準優勝で終わった吉田以上の成績をと、「天下」と刺繍したグラブで臨んだが、沖縄尚学に0-1で敗れ、2年連続して初戦で涙を飲んだ。右太ももの違和感で先発を回避したが、5回2死三塁から登板し、内角高めへ143キロのストレートで二ゴロに仕留めたほか、自己最速の147キロもマークした。

 吉田は、練習休みの4日に京都市内で行われた母校の練習に野球部の同級生と訪れ監督らに挨拶したが、選手とは接触せずに見学。6日の試合は、大阪・舞洲の球団施設でトレーニングをしており、テレビを通じての応援となった。

 昨年との変化について吉田は「学年が一番上になって、エースでチームの中心になると、責任感を自分で感じて野球ができたのではないでしょうか。2年生エースと3年生エースでは、絶対に違うと思います。そういうところはピッチングに出るんじゃないですか」と、大輝にエースとしての自覚を感じたという。

 そして口を突いたのが「大化けしそうな予感」だった。

「根拠はないんです。普通に、なんとなくです。ただ、2イニング目はめっちゃ球が速かったし、(マウンドで)別に緊張しているわけでもない。今までとちょっと変わってきたな、と思っていたら負けてしまったんですが、次の試合に投げていたら面白いなと。次の試合があれば、初戦が(化ける)きっかけになる試合になったのかなと思いました」。兄だからはなく、野球の世界の先輩としての直感だったという。

 大輝の今後については「いずれプロでやりたいんじゃないかと思いますが、(今の力では)指名されても下位か、育成。それなら大学、社会人に行った方がいいような気がします。同じチームですか? 向こうは楽かもしれないけど、こっちはやりづらいですよ(笑)」と吉田。無限の可能性を秘めた大輝と同じ舞台で輝くためにも、トミー・ジョン手術からのリハビリに力が入る。

(北野正樹 / Masaki Kitano)

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