肌で感じた阪神の強さ…ド迫力の大歓声も「あれくらいかな」 周東佑京が語った心構え

ソフトバンク・周東佑京【写真:加治屋友輝】
ソフトバンク・周東佑京【写真:加治屋友輝】

レフトスタンド埋めた虎党の大歓声は「すごかった」

■阪神 2ー1 ソフトバンク(25日・みずほPayPayドーム)

 黒星スタートも慌てる必要は全くない。「やることを特に変える必要もないですし、1人1人がやることをやれればいいと思います」。25日にみずほPayPayドームで行われた「SMBC日本シリーズ2025」の第1戦。阪神に2-1で競り負けた試合後、ソフトバンクの周東佑京内野手は平静を貫いた。

 まるで甲子園のような雰囲気の中、自らの持ち味は示した。初回無死一塁の第1打席で二ゴロを放ち、ゲッツー崩れで出塁すると、続く柳町への2球目にスタート。悠々二塁を陥れると、近藤健介外野手の中前打で先制のホームを踏んだ。2打席目には中前打をマーク。「きょう1日で見ればまずまずかなと思います」と、一定の手ごたえを口にした。

 レフトスタンドを埋めた虎党の応援については「すごかったですね」と語ったものの、「まあ、あれくらいかなとは思っていました」と想定内だったことを明かした周東。セ・リーグを圧倒的な力で制した阪神の印象については「本当に塁に出る人がちゃんと塁に出て、返す人がちゃんと返すっていうチームだなと感じました」。その強さを肌で感じた。

 4勝先取の短期決戦で初戦を落としたことは間違いなく痛い。それでも下を向くことはない。「別に今日の負けを引きずる必要はないですし。明日は明日で。新しい1試合が始まるんで」。入団以降の8年間で3度のリーグ優勝と日本一を経験し、WBCでも世界一に貢献するなど、大舞台で輝きを放ってきた29歳はすぐに前を向いた。

 リーグ王者として臨んだクライマックスシリーズファイナルステージでは、日本ハムと死闘を演じ、日本シリーズに進んだ。選手会長2年目の周東が口にしたのは今年最後の戦いとなる日本シリーズを戦う上での心構えだった。

「そんなに構える必要もないですし、お祭りだと思っているので。去年は去年の戦い方がありましたけど、今年はもっと楽しめばいいのかなって」

 DeNAと戦った1年前の日本シリーズは初戦から2連勝を飾ったものの、そこからまさかの4連敗で日本一には届かなかった。雪辱を期す今回のテーマは「エンジョイ」。酸いも甘いも知る周東の存在が、やはりキーとなりそうだ。

(長濱幸治 / Kouji Nagahama)

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