「病気知って」森友哉が“異例”の対応 例年は休養のオフ、一肌脱いで伝える覚悟

オリックス・森友哉【写真:北野正樹】
オリックス・森友哉【写真:北野正樹】

高校時代の同級生、希少がんと闘う福森大翔さんを支援

 大阪桐蔭高野球部OBの森友哉捕手(オリックス)が、同校吹奏楽部とともに、希少がんと闘う同校OBの福森大翔(ひろと)さんを応援するイベントに出演する。森がオフのトークショーに参加することはほとんどなく、盟友のために一肌脱ぐ。

「プロ入りしてから片手で数えるほどです。今回は大翔の病気を知ってもらういい機会ですし、大阪桐蔭のOBが企画してくださったのもありますし」。高知市内で行われている秋季キャンプで森が、数年ぶりのイベント出席を明かした。

 イベントは、同校野球部OBで不動産業「センス・トラスト(SENSE TRUST)」(大阪市)社長の今中康仁さんが企画。「唯一無二の、感動」をテーマに「野球が繋いだ感動の絆」のタイトルで開催される。森と同級生で、2021年11月に発症した希少がんと闘う福森さんを応援することで、病気を知ってもらうとともに健康の大切さを再認識してもらうことが目的だ。

 森は「オフは体を休める期間」と位置づけ、プロ入り後はトークショーなどのイベントにはほとんど参加してこなかった。しかし、今中さんの要請を受け、福森さんのためになるのであればと“封印”を解いた。同校OBで同僚の香月一也内野手のほか、趣旨に賛同した頓宮裕真捕手も参加する。全日本吹奏楽コンクールや全日本マーチングコンテスト全国大会で「金賞」を計11度受賞した名門、同高吹奏楽部の梅田隆司監督も趣旨に快諾。170人を超える部員が参加し、甲子園でおなじみの応援歌などの生演奏を披露する。

 福森さんは今年6月、今中社長がスポンサードする京セラドームのオリックス-巨人戦に招かれ、森とバッテリーを組んで特別始球式を行った。今回は特別ゲストとして、3選手のトークショーに参加する。福森さんは抗がん剤治療と並行して免疫治療も行っているが、健康保険の適用外で治療費は高額となるため、現在、友人らによる「福森さんを救う会」が、2度目のクラウドファンディングで支援を呼び掛けている。

 イベントは12月22日午後5時30分から行われる。

〇北野正樹(きたの・まさき)大阪府生まれ。読売新聞大阪本社を経て、2020年12月からフリーランス。プロ野球・南海、阪急、巨人、阪神のほか、アマチュア野球やバレーボールなどを担当。1989年シーズンから発足したオリックスの担当記者一期生。関西運動記者クラブ会友。2023年12月からFull-Count編集部の「オリックス取材班」へ。

(北野正樹 / Masaki Kitano)

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