野口智哉が鍛錬の秋に取り組む“打撃改造” 川島コーチと二人三脚「力量はありますから」

4年目の野口、課題克服に向け鍛錬「いい打ち方を探し求める」
オリックスの4年目、野口智哉内野手が秋季キャンプで課題の打撃を向上させている。「自主トレ、オフの練習につながるように、いい打ち方を探し求めています。足や守備には自信があるので打つしかありません」。連日、室内練習場で夕方まで個別練習に打ち込む野口が、精悍な表情を引き締めた。
野口は奈良県出身。鳴門渦潮高(徳島)、関大から2021年ドラフト2位でオリックスに入団。1年目にプロ初本塁打を記録したほか、内外野の複数ポジションをこなし、2023年には76試合(打率.226)に出場。日本シリーズにも外野手として先発出場し、代打で安打も放った。
しかし2024年は12試合出場(打率.111)にとどまり、今季は5月31日の西武戦で「9番・二塁」で出場し、延長11回にサヨナラ本塁打を放って存在感を示したものの、わずか33試合(打率.145)と出場機会を増やすことはできなかった。チャンスに強いところはアピールできたが、「(チャンスに)強ければ強いに越したことはありませんが、(打席の)絶対数が少ないですから」と謙虚に足元を見つめる。
俊足、強肩のユーティリティプレーヤーとしては評価の高い野口が、内外野の層が厚いチームでアピールするために欠かせないのは打撃の向上。高知市での秋季キャンプでは、川島慶三打撃コーチからマンツーマンで指導を受け、個別練習でもマシンを相手に黙々と打ち込んでいる。「タイミング(の取り方)ですね。ちょっと(ボールに)差される傾向があるので。そこさえできれば、力量はありますから」と川島コーチ。野口も「確率を上げると出番も増えると思います」と語る。
成果はすぐに表れた。11月17日に秋季キャンプ地で行われた中日との練習試合。「1番・三塁」で出場し、2点適時打を含むマルチ安打。1本目は内角のストレートを右に引っ張り、2本目はチェンジアップを左に流す広角打法。「両方とも狙っていた球をしっかりと捉えることができてよかったです」と笑顔で振り返った。
オフは森友哉捕手らと3年連続して自主トレに励む予定。「森さんはバッティングの手本のような存在。秋季キャンプで教えてもらったことを継続してやりたい」と意気込んだ。
〇北野正樹(きたの・まさき)大阪府生まれ。読売新聞大阪本社を経て、2020年12月からフリーランス。プロ野球・南海、阪急、巨人、阪神のほか、アマチュア野球やバレーボールなどを担当。1989年シーズンから発足したオリックスの担当記者一期生。関西運動記者クラブ会友。2023年12月からFull-Count編集部の「オリックス取材班」へ。
(北野正樹 / Masaki Kitano)