松井秀喜氏が「師は長嶋茂雄といえる幸せ」 運命のドラフトから“33年”…伝えた別れ

「ミスタージャイアンツ 長嶋茂雄 お別れの会」に出席した松井秀喜氏【写真:小林靖】
「ミスタージャイアンツ 長嶋茂雄 お別れの会」に出席した松井秀喜氏【写真:小林靖】

33年前の11月21日、ドラフトでミスターがくじを引き当てた

「ミスタージャイアンツ 長嶋茂雄 お別れの会」が21日、東京ドームで開催され、愛弟子の松井秀喜氏(ヤンキースGM付特別アドバイザー)が「お別れの言葉」を述べた。「この東京ドームに監督のいろいろな感情が刻み込まれており、ここに来るとそれを感じ、また監督に会えた気がして嬉しいです」と心境を明かした。

 巨人のOB・現役や各球団OB、そのほかにも政界、経済界、メディア界、スポーツ界、芸能界など2500~3000人が参列。2階席では応募者の中から選ばれた6000~7000人も見守るなか、“恩師”への思いを語った。

 松井氏は「監督が遠い空へ旅立たれて半年が過ぎようとしています。その日以来、監督とともに過ごした時間と記憶を辿る日々を過ごしてまいりました」と心境を吐露。「いろいろな場面や言葉を思い出し、もう会うこと、お話することも叶わない現実を受け入れ、気持ちを整理するための時間でした」と述べた。

 奇しくも33年前の1992年のドラフト会議で、長嶋さんが4球団競合となった松井氏の交渉権を引き当てたのも11月21日だった。「私の道を明るく照らし、力強く導いてくれました。試合前に必ず私のスイングをチェックするための時間を割いてくださいました。ドームの小さな部屋、監督の自宅、遠征先のホテルが試合前の2人の共通の時間となりました。激励に来てくださったニューヨークでも素振りをしましたね」と自身の現役時代の思い出を振り返った。

 続けて「長嶋茂雄の存在は大きすぎます。私は今でもその背中を遠くから見つめています」と語った松井氏。「胸を張って自分の師は長嶋茂雄と言える幸せをありがとうございました。監督によって私の野球人生はきれいに彩られました」と感謝の気持ちを口にした。

 1993年に巨人の監督に復帰した長嶋さんは、高卒1年目だった松井氏の指導に心血を注ぎ、松井氏も巨人の4番として成長していった。在籍10年間で332本塁打。2003年のヤンキース移籍後も両者の信頼関係は不変で、国際電話でバットの素振り音を聞いてもらいながら指導を受けたことは有名なエピソードだ。

 長嶋さんの追悼試合となった8月16日の巨人―阪神戦で松井氏は始球式を担当。その後の中継のゲストにも登場した際には、2013年5月5日に長嶋さんと一緒に出席した国民栄誉賞授与式で着用していたスーツで出演していた。

(Full-Count編集部)

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