王貞治氏「長嶋茂雄さんは永久です」 東京Dは温かい拍手…伝えた盟友への思い「太陽のような人」

お別れの言葉を述べたソフトバンクの王貞治球団会長【写真:小林靖】
お別れの言葉を述べたソフトバンクの王貞治球団会長【写真:小林靖】

巨人の黄金期を築いた“ONコンビ”、王氏「お別れするのは辛い」

「ミスタージャイアンツ 長嶋茂雄 お別れの会」が21日、東京ドームで開催され、ソフトバンクの王貞治球団会長らが「お別れの言葉」を述べた。王氏は、巨人時代に「ONコンビ」として一時代を築いた盟友に向けて「長嶋さん、お元気ですか? この言葉が不謹慎であることは十分承知しております」と語りかけ、別れの言葉を届けた。

 王氏は「長嶋さんの笑顔をみて、他に言葉はありません。長い間一緒にプレーし、素晴らしい思い出をたくさんつくってくれました」と感謝しつつ「こうしてお別れするのはとても辛いです」と寂しい胸の内を明かした。続けて「心の中には明るい太陽のような長嶋さんが居続けてくれると確信しております」と、長嶋さんの存在が王氏に影響を与えてきたことも言葉にした。

 続けて王氏は長嶋さんの現役時代を振り返り「攻撃的な打撃、華麗なる守備、颯爽とした走塁、全ての面でみんなの目を引き付けてくれました。一緒に16年間プレーさせていただきましたが、華やかな姿、グラウンド上での素晴らしいプレーとは別に、陰での長嶋さんの苦労を知っております」と、数々の偉大な記録と、人々の記憶に残るプレーの裏にある不断の努力を称えた。

「野球人とはどうあるべきかを教えていただきました。私は16年間一緒にプレーし、常にそばで見てきました。私ほど幸せな男はいないと、心のなかで強く思っています。本当に太陽のような人でした。日本中のファンを喜ばせてくれた。本当に特別な、特別な存在でした。長嶋さんがいたから今のプロ野球の隆盛はあるのだと思います」と、長嶋さんが与えた影響についてもプロ野球界を代表し感謝した。

 最後に、王氏は長嶋さんの名言として知られているフレーズを用い「引退のときに『巨人軍は永久に不滅です』と話されましたが、私はここで、笑顔の写真をみて、『長嶋茂雄さんは永久です』と、多くの皆さんが思っている思いを代表してお伝えし、お別れの言葉とさせていただきます」と話すと、場内は温かい拍手に包まれた。

 巨人のOB・現役や各球団OB、そのほかにも政界、経済界、メディア界、スポーツ界、芸能界など2500〜3000人が参列。2階席では応募者の中から選ばれた6000〜7000人も見守るなか、長嶋さんの愛弟子だった松井秀喜氏(ヤンキースGM付特別アドバイザー)と俳優の北大路欣也さんとともに、「お別れの言葉」を天国の長嶋さんに届けた。

 長嶋さんは1年目の1958年から巨人の主力として活躍。王氏は1959年に入団し、1965年からは9年連続日本一を果たすなど、2人でチームを支え、ファンからは「ONコンビ」の愛称で親しまれた。長嶋さんが6月3日、肺炎のため89歳で死去した際には「長嶋さんには色々と教えていただきました。一緒に野球ができたことを本当に感謝しています。今は只々心よりご冥福をお祈りします」と別れを惜しんでいた。

(Full-Count編集部)

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