来田涼斗、6年目の飛躍へ「迷わないこと」 秋季キャンプで掴んだ手応え「内容もよかった」

来田涼斗がフェニックス・リーグで打率.407、2本塁打
オリックスの来田涼斗外野手が、打撃向上の手応えを掴み、オフの自主トレに臨む。「打撃練習でも質のよい打球が増えてきました。これからもバットを振り込んで、ウエートトレ、走り込みも重視したいですね」。高知市での秋季キャンプ最終日の20日、オフの取り組みについて語った。
来田は、明石商(兵庫)から2020年ドラフト3位でオリックスに入団。小学6年時にオリックスジュニアでプレーし、明石商2年春の選抜準々決勝で史上初の先頭打者本塁打とサヨナラ本塁打をマーク。プロ1年目には高卒新人として史上初のプロ初打席、初球、初安打、初本塁打の偉業を達成した。
しかし、その後はチャンスを生かせず、1軍出場は2年目に10試合、開幕スタメンの3年目は4試合。2024年に54試合と出場機会を増やし、今季は50試合に出場。低めの球に手を出し空振りすることが多かったが、ゾーンを上げて「目付け」を変えたことで今季は2軍戦(41試合)で打率.336、2本塁打と打撃を安定させつつあった。
本来の打撃と向き合えたのが、「結果にとらわれず来季に向けて取り組みたい」と臨んだシーズン終了後のフェニックス・リーグだった。途中からの参加で8試合の出場だったが、27打数11安打、5打点、2本塁打、打率.407と結果を残した。
手応えを感じたのは、独立リーグ選抜戦での本塁打。1回2死二塁から左腕の山田大河投手(茨城アストロプラネッツ)の初球のカーブを右翼席に運んだ。「フェニックスでは変化球だけを打つ打席を作ったりしていたのですが、あの打席は変化球を狙っていました。これからも狙った球を一発で仕留めることを意識していきたい」と手応えを語る。
秋季キャンプでは、終盤に行われた中日との練習試合で4打数2安打。「ライブ打撃にも立たない中での実戦でしたが、後の2打席(一直、一塁失策)も含めて全部、バットの芯でとらえることができて内容も結果もよかった」と胸を張った。
自主トレは「迷わないことですね。なりたい自分に近付けるように」と、球団施設の舞洲を中心に行う予定だ。昨年は1人で自主トレ期間を過ごしたが「ヤツが一緒にやりたいというので」と、同じ左打者で2023年ドラフト1位の横山聖哉内野手の申し出を受け入れた。
これまで「他の人を気にしたことがない」と、いい意味でのマイペースを貫いてきた来田。打撃に手応えを感じたことで、背中で後輩を引っ張る覚悟も生まれた。
〇北野正樹(きたの・まさき)大阪府生まれ。読売新聞大阪本社を経て、2020年12月からフリーランス。プロ野球・南海、阪急、巨人、阪神のほか、アマチュア野球やバレーボールなどを担当。1989年シーズンから発足したオリックスの担当記者一期生。関西運動記者クラブ会友。2023年12月からFull-Count編集部の「オリックス取材班」へ。
(北野正樹 / Masaki Kitano)