西武ドラ1小島大河と森友哉の共通点 同じ「10」…目標にしたNPB42年ぶりの偉業

西武からドラフト1位指名を受けた小島大河【写真:加治屋友輝】
西武からドラフト1位指名を受けた小島大河【写真:加治屋友輝】

ドラフト1位の小島大河が目指す“強打の捕手”

 西武のファン感謝イベント「LIONS THANKS FESTA 2025」が23日に本拠地ベルーナドームで行われ、ドラフト新入団選手13人(支配下6人、育成7人)がお披露目。ドラフト1位の明大・小島大河捕手の背番号は「10」に決まった。小島にとっては、同タイプの“強打の捕手”として背中を追い続けてきたオリックス・森友哉捕手が西武時代(2014年~2022年)に背負った、思い入れのあるナンバーである。

「憧れの選手の番号で戦えるのはうれしいです。背番号に似合う活躍をしないといけないと、身の引き締まる思いです。森友哉選手のような、と言うとおこがましいですが、そういう活躍ができればと思います」と小島は表情を綻ばせた。

 森は西武時代の2019年に打率.329で首位打者を獲得し、MVPにも輝いた。2022年にオリックスへFA移籍したが、小島とは“左打ちのスラッガー捕手”という点が共通点。右足を高く上げて打つところも似ている。小島は「これまで森選手を見て、勉強させてもらってきました。特に打撃は僕も足を上げて打つので、投手のモーションのどの瞬間に足を上げているのかなどを、参考にさせていただいています」と明かす。

 小島の強みはその打撃だ。明大3、4年時には侍ジャパン大学代表の4、5番を務めた。どんなタイプの投手にも弱みを見せない対応力の高さを、プロのスカウトも高く評価してきた。「自分の持ち味はバッティングで、その中でも(ファンには)勝負強さを見ていただきたいと思っています」と強調。「新人王を1つの目標に、頑張っていきたいと思います」と言い切った。

 もし小島が来季新人王を獲得すれば、パ・リーグ捕手では1984年の阪急・藤田浩雅氏以来、42年ぶり2人目の超レアケース。セ・リーグを含めても、捕手の新人王は過去に、藤田氏と1969年の阪神・田淵幸一氏の2人しかない。それほどプロの世界で1年目から捕手として活躍するのは至難の業なのだ。

明大からプロ入りした大川・毛利、両投手との対戦を心待ち

 まずは小島が、西武の正捕手の座を獲得しなければ話にならない。西武では3年連続で古賀悠斗捕手がチーム最多のスタメンマスクをかぶっており、今季も91試合に先発した。守備ではキャリアのある古賀悠に一日の長があるだけに、小島は打撃でアピールしたいところだ。

「ライオンズにはいい捕手がたくさんいますので、その方々から勝ち取れるように、一生懸命やっていきたいです」と小島。神奈川・東海大相模高時代は2年生まで二塁手だったため、内野も守れるが、あくまで「キャッチャーで勝負したいと思います」とまなじりを決している。

 明大の同僚である最速155キロ右腕・大川慈英投手(日本ハム1位指名)、151キロ左腕・毛利海大投手(ロッテ2位指名)は、同じパ・リーグ球団に入団。両投手と対戦する日を楽しみにしている。

「大川とは『対戦しような』という話をしていて、向こうが『俺、打ち取るから』みたいな感じで来るので、その意気込みをバットでへし折ってやりたいと思っています」と言い放つ一方、「毛利は『打たないでくれよー』という感じなので、こちらとしては言いづらいところがあります」と苦笑してみせた。さすがに捕手だけあって、両投手の性格の違いを把握し、日ごろからコミュニケーションを密にしている雰囲気が伝わってきた。

 すでに平沢大河内野手、上田大河投手と合わせて“西武の3大河”と呼ぶ声もある。「『大きな川の流れのように、大きな人間に育ってほしいと思って名付けた』と親から聞いています」と明かす通り、スケールの大きな野球人生を送ってほしいものだ。

(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)

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