狙うは「中堅」 オリ・杉澤龍についた自信 2年連続で自主トレ“志願”…繋いだ恩人の存在

オリックス・杉澤龍「すごく自信がついた1年」
オリックスの3年目、杉澤龍外野手が課題の打撃を磨くため、2年連続して他球団の好打者との自主トレを行う。「すごく自信がついた1年。充実していました。他球団の選手と自主トレをすることで学べることはたくさんあると思います。自分の引き出しに入れて帰ってきたい」。杉澤が力強くオフの取り組みを語った。
杉澤は東北高、東北福祉大を経て2022年ドラフト4位でオリックスに入団。長打力と広角に打ち分ける巧打が魅力の左打者で、プロ1年目はウエスタン・リーグで92試合に出場し、チームトップの38打点を記録。積極果敢な守備も評価され、2年目は1軍で28試合に出場、今季は14試合にとどまったものの、2軍では96試合に出場し、打率.280、6本塁打をマーク。とくに5月22日の阪神戦から4試合連続して本塁打を放ち、長打力をアピールした。
「あの時は、自分の中で(打撃に対する)理解度が低かったんですが、今はこれをやったから打てた、こういう(体の)使い方をしたからこのバットの出し方で打てた、などと理解できているんで、今の方が継続して打てると思います」と打撃面の手応えを感じ取っている。
オフは、広島・坂倉将吾捕手の自主トレに参加させてもらう予定。1年前に弟子入りしたソフトバンク・栗原陵矢内野手が腰の手術をしたため。「龍馬さん(西川)に相談したら、坂倉さんを紹介していただきました。森さん(友哉捕手)からも誘っていただいたのですが、他球団の方からの刺激が欲しいなと思って」と杉澤。坂倉は2021年にリーグ2位の打率.315をマークした左の好打者で、昨年の栗原同様に得るものは大きいはずだ。
研究熱心。昨年は実戦で感覚を磨きたいと直訴し、球団として初めて2年連続のウインターリーグに参加した。高知市で行われた秋季キャンプでは内野守備にも取り組んだ。高校時代に経験しており、二塁守備では軽快な動きを見せた。首脳陣には、内野陣の充実と杉澤の出場機会を増やす狙いもあったが「センターがいいです。守りやすいですから」と色気は見せない。勝負するのは「中堅」と心に決めている。
〇北野正樹(きたの・まさき)大阪府生まれ。読売新聞大阪本社を経て、2020年12月からフリーランス。プロ野球・南海、阪急、巨人、阪神のほか、アマチュア野球やバレーボールなどを担当。1989年シーズンから発足したオリックスの担当記者一期生。関西運動記者クラブ会友。2023年12月からFull-Count編集部の「オリックス取材班」へ。
(北野正樹 / Masaki Kitano)