初の1軍完走も打率.152…オリ福永奨が痛感した“課題” 知った実力「使ってもらえない」

4年目の今季一度も降格せずにシーズンを戦った
オリックスの4年目、福永奨捕手が、プロ入り初めて1軍でシーズンを過ごした自信を胸に、若月健矢捕手、森友哉捕手、石川亮捕手との定位置争いに挑む。「しっかりと上をみてやることができた1年でした。僕の上に3人いらっしゃいますが、勝負の世界。そこに遠慮はいらないと思うんで、どんどんアピールしていきたい」と目を輝かせた。
神奈川出身で横浜高、国学院大から2021年ドラフト3位でオリックスに入団した。経験が重要なポジション。2軍で1年目から85試合、104試合、60試合と出場を重ね、今季は開幕から1軍入りを果たし、一度も登録抹消されないままシーズンを戦うことができた。
自己最多の39試合出場に「対戦相手のこともわかりますし、チームの状態もわかって試合にでる準備ができるようになったのは大きい。ずっと1軍にいたことは、来年につながると思います」。手応えを感じる一方で、痛感したのは打撃面だった。「打てなかったら使ってもらえない。シーズンを終えて、それはすごく感じました」と振り返る。
今季の打撃は66打数10安打。プロ入り初本塁打も記録したが、打率.152とバットでアピールすることはできなかった。「パ・リーグの速いピッチャーに対しファウルになったり、フライアウトになったりすることが多かったですね」。ファウルで粘って相手投手を苦しめる打席もあったが「僕有利のカウントもあったのですが、ミスショットも多かった」と反省する。
秋季キャンプでは、バットのヘッドを走らせるために振り込んだ。17日に行われた中日との練習試合で「8番・指名打者」で出場し、本塁打を含む4打数4安打。「飛ばし方というか、ヘッドの使い方もそうですが、脱力、いい力感の中でヘッドが走って打つことができました」と新たな感覚での打撃も見出した。
広角に打ち分けた打撃内容にも、自信を深めた。1打席目に左前打を放つと、2打席目はカウントを追い込まれながら右前に運び、無死二塁の第3打席も右前打。第4打席は豪快に左翼に運んだ。「追い込まれて右に打ったり、走者を進める打撃をしたりするのも僕の役割として絶対に大事になってきます。そういう打撃を続けたいと思います」。
オフの自主トレは、2年連続して中川圭太外野手にお願いをした。今季、打率リーグ3位で初のベストナインに輝いた巧打者から学び、打撃を磨く。
〇北野正樹(きたの・まさき)大阪府生まれ。読売新聞大阪本社を経て、2020年12月からフリーランス。プロ野球・南海、阪急、巨人、阪神のほか、アマチュア野球やバレーボールなどを担当。1989年シーズンから発足したオリックスの担当記者一期生。関西運動記者クラブ会友。2023年12月からFull-Count編集部の「オリックス取材班」へ。
(北野正樹 / Masaki Kitano)