“ガッツマン”に葛藤も「変わってはいけない」 FA移籍も貫く原点「変わったらユニホーム脱ぐ」

西武にFA移籍する桑原将志が“異例”のDeNA退団会見
海外フリーエージェント(FA)権を行使して西武への移籍が決まったDeNAの桑原将志外野手が2日、横浜市内の球団事務所で退団会見を行った。泥臭く熱いプレーで「ハマのガッツマン」として愛された32歳だが、その愛称に葛藤していたことも。それでも原点に立ち返り、新天地でもガッツ溢れるプレーで暴れ回る。
「今だクワ喰らいつけ 燃えろガッツマン 突っ走れどこまでも 勝利を呼ぶ男」
2015年にできた桑原の応援歌。打席に入ると、外野席のファンから「ガッツマン」というフレーズで鼓舞される。2016年に133試合に出場してブレークを果たすと、2017年には全143試合に「1番・中堅」で先発出場してリードオフマンに定着。この歌とともに桑原将志というプレーヤーは出来上がっていった。
一方で、スタイルに悩んだことを桑原は打ち明ける。「一時期、きれいに野球をやりたいといいますか。格好良くしたいなと、誰しもがたぶん思うので、野球選手だったら。ちょうどそういう時期がありました」。2018年には背番号が「1」に変わった。チームの中心選手となり、自らの生きる道を再び見つめ直すことができた。
「プロの世界でいろいろな景色を見た中で、原点に立ち返れたのがそのフレーズ。ガッツマンが自分の野球スタイルだと思うので、これからも貫いていきたいと思います。一番変わってはいけない部分だったなと振り返って思います」
悩みに悩み、野球人として、人として成長するために14年間過ごしたDeNAを去ることを決めた。もう、迷いはない。「そこ(ガッツマン)が変わったらユニホームを脱ぐしかない。それくらいの覚悟を決めているので。そこのプレースタイルができないのであれば僕がユニホームを脱ぐときかなと思います」。「ハマのガッツマン」から「レオのガッツマン」へ――。新たな挑戦が始まる。
(町田利衣 / Rie Machida)